民法第605条
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条文[編集]
(不動産賃貸借の対抗力)
改正経緯[編集]
2017年改正により以下の通り改正された。
- (改正前)その後その不動産について物権を取得した者に対しても、その効力を生ずる。
- (改正後)その不動産について物権を取得した者その他の第三者に対抗することができる。
解説[編集]
賃借権は債権なので、賃貸人以外の人間には主張できないのが原則であるが、賃借人の利益を図るため、対抗要件を備えた不動産賃貸借に、物権的な効力を与えている。「売買は賃貸借を破る」の特則規定である。
対抗要件は登記である。不動産賃借権を取得した者が、その旨の登記をしたときは、例えばその後その不動産を譲り受けた者に対しても賃借権の存在を主張できるのである。
もっとも判例・通説によれば、特約がない限り賃借人は賃貸人に対し登記を請求することはできないとされ、実際に本条に基づいて登記がなされることはまれである。そのため賃借人の保護を図るためとしてはもっぱら借地借家法の規定が利用されている。
参照条文[編集]
判例[編集]
- 地上物件収去土地明渡請求(最高裁判決 昭和40年06月29日)
- 土地明渡請求(最高裁判決 昭和44年10月28日)
- 所有権移転登記手続等請求(最高裁判決 昭和49年03月19日)民法第177条
- 賃貸中の宅地を譲り受けた者は、その所有権の移転につき登記を経由しないかぎり、賃貸人たる地位の取得を賃借人に対抗することができない。
- 賃貸借契約解除等(最高裁判決 平成1年06月05日)民法第395条、民法第602条
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