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民法第812条

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』

法学民事法コンメンタール民法第4編 親族 (コンメンタール民法)

条文

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(婚姻の規定の準用)

第812条
第738条第739条及び第747条の規定は、協議上の離縁について準用する。この場合において、同条第2項中「3箇月」とあるのは、「6箇月」と読み替えるものとする。

解説

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婚姻の規定の一部が協議上の離縁に適用されることを規定、明治民法864条を継承する。なお、離婚に関する準用規定(民法第764条)も同旨である。
協議上の離縁と婚姻とは共に身分行為であり、また合意の成立と届出が要件とされている点で共通する。
準用による読替え
  • 民法第738条(成年被後見人の婚姻)
    成年被後見人が離縁をするには、その成年後見人の同意を要しない。
    離縁は身分行為であるので、成年被後見人であってもその成年後見人の同意を要しない。
  • 民法第739条(婚姻の届出)
    1. 離縁は、戸籍法(昭和22年法律第224号)の定めるところにより届け出ることによって、その効力を生ずる。
      届出主義
    2. 前項の届出は、当事者双方及び成年の証人2人以上が署名した書面で、又はこれらの者から口頭で、しなければならない。
  • 民法第747条(詐欺・強迫による婚姻の取消し)
    1. 詐欺又は強迫によって離縁をした者は、その離縁の取消しを家庭裁判所に請求することができる。
    2. 前項の規定による取消権は、当事者が、詐欺を発見し、若しくは強迫を免れた後6箇月を経過し、又は追認をしたときは、消滅する。

参照条文

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判例

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参考

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明治憲法において、本条には離婚後の親権の指定に関する以下の規定があった。戦後民法では、「家」の概念を取り除いて民法第766条に継承された。

協議上ノ離婚ヲ為シタル者カ其協議ヲ以テ子ノ監護ヲ為スヘキ者ヲ定メサリシトキハ其監護ハ父ニ属ス
父カ離婚ニ因リテ婚家ヲ去リタル場合ニ於テハ子ノ監護ハ母ニ属ス
前二項ノ規定ハ監護ノ範囲外ニ於テ父母ノ権利義務ニ変更ヲ生スルコトナシ

前条:
民法第811条の2
(夫婦である養親と未成年者との離縁)
民法
第4編 親族

第3章 親子

第2節 養子
次条:
民法第813条
(離縁の届出の受理)


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