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自然環境保全法第28条

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』

法学環境法自然環境保全法コンメンタール自然環境保全法

条文

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(普通地区)

第28条

  1. 自然環境保全地域の区域のうち特別地区及び海域特別地区に含まれない区域(以下「普通地区」という。)内において次の各号に掲げる行為をしようとする者は、環境大臣に対し、環境省で定めるところにより、行為の種類、場所、施行方法及び着手予定日その他環境省令で定める事項を届け出なければならない。ただし、第一号から第三号までに掲げる行為で森林法第三十四条第二項 本文の規定に該当するものを保安林等の区域内においてしようとする者及び第一号 から第三号 までに掲げる行為で海域内において漁具の設置その他漁業を行うために必要とされるものをしようとする者は、この限りでない。
    一 その規模が環境省令で定める基準をこえる建築物その他の工作物を新築し、改築し、又は増築すること(改築又は増築後において、その規模が環境省令で定める基準をこえるものとなる場合における改築又は増築を含む。)。
    宅地を造成し、土地を開墾し、その他土地(海底を含む。)の形質を変更すること。
    鉱物を掘採し、又はを採取すること。
    四 水面を埋め立て、又は干拓すること。
    五 特別地区内の河川湖沼等の水位又は水量に増減を及ぼさせること。
  2. 環境大臣は、前項の規定による届出があつた場合において、自然環境保全地域における自然環境の保全のために必要があると認めるときは、その届出をした者に対して、その届出があつた日から起算して三十日以内に限り、当該自然環境の保全のために必要な限度において、その届出に係る行為を禁止し、若しくは制限し、又は必要な措置をとるべき旨を命ずることができる。
  3. 環境大臣は、第一項の規定による届出があつた場合において、実地の調査をする必要があるとき、その他前項の期間内に同項の処分をすることができない合理的な理由があるときは、その理由が存続する間、同項の期間を延長することができる。この場合においては、同項の期間内に、第一項の規定による届出をした者に対して、その旨及び期間を延長する理由を通知しなければならない。
  4. 第一項の規定による届出をした者は、その届出をした日から起算して三十日を経過した後でなければ、当該届出に係る行為に着手してはならない。
  5. 環境大臣は、当該自然環境保全地域における自然環境の保全に支障を及ぼすおそれがないと認めるときは、前項の期間を短縮することができる。
  6. 次の各号に掲げる行為については、第一項から第三項までの規定は、適用しない。
    一 非常災害のために必要な応急措置として行う行為
    自然環境保全地域に関する保全事業の執行として行う行為
    三 認定生態系維持回復事業等として行う行為
    四 法令に基づいて国又は地方公共団体が行う行為のうち、自然環境保全地域における自然環境の保全に支障を及ぼすおそれがないもので環境省令で定めるもの
    五 通常の管理行為又は軽易な行為のうち、自然環境保全地域における自然環境の保全に支障を及ぼすおそれがないもので環境省令で定めるもの
    六 自然環境保全地域が指定され、又はその区域が拡張された際着手している行為

   

解説

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本条は、自然環境保全地域の区域のうち普通地区において一定の行為をする場合には環境大臣に対する届出をしなければならないことに関する規定である。届出制であるが、届出のあった場合、環境大臣は一定の条件により、その届出に係る行為を禁止し、若しくは制限し、又は必要な措置をとるべき旨を命ずることができる(第2項)、届出をした者は、その届出をした日から起算して30日を経過した後でなければ、当該届出に係る行為に着手してはならない(第4項 -第5項に短縮規定がある)という規定がある。

これは、届出といいながら行為の制限、禁止を可能とした、自然公園法(普通地域)、自然環境保全法(普通地区)の特徴的なものである。これは、自然環境保全法施行間もない頃の同法、自然公園法改正で導入されたものであるが、環境事務次官から各都道府県知事あて『自然公園法及び自然環境保全法の一部を改正する法律の施行について』(1973年12月18日公布環自企682号)によると、「適法に着手された行為をとらえてその行為の途中ないし完了後に行為の内容を大幅に変更させたり、禁止したりすることは、実際上困難な場合が多く、又、行為者にも相当の不利益を与えることとなる」という趣旨である。

  • 自然環境保全地域と自然公園の区域(地域)分け対比
自然環境保全地域 特別地区(自然環境保全法第25条
一定の行為についての許可制
海域特別地区(自然環境保全法第27条
一定の行為についての許可制
普通地区(自然環境保全法第28条
一定の行為についての届出制
自然公園 特別地域(自然公園法第20条
特別保護地区、利用調整地区の指定も可
一定の行為についての許可制
海域公園地区(自然公園法第22条
利用調整地区の指定も可
一定の行為についての許可制
普通地域(自然公園法第33条
一定の行為についての届出制

自然環境保全地域、自然公園とも、右に記載のいずれかの地区・地域に含まれる。



施行規則

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本条に直接関係する環境省令を一括して掲載する。

(普通地区内における行為の届出書)

第二十六条

  1. 法第二十八条第一項 の規定による届出は、行為の種類、場所、施行方法、着手予定日及び第三項に規定する事項を記載した届出書を提出して行うものとする。
  2. 前項の届出書には、第二条第二項各号に掲げる図面を添えなければならない。
  3. 法第二十八条第一項 の環境省令で定める事項は、行為者の住所及び氏名(法人にあつては、主たる事務所の所在地及び名称並びに代表者の氏名)、行為の目的、行為地及びその附近の状況並びに行為の完了予定日とする。

(工作物の基準)

第二十七条

  1. 法第二十八条第一項第一号 の環境省令で定める基準は、次の各号に掲げる区域の区分に従い、工作物の種類ごとに当該各号に定めるとおりとする。
一  海面以外の区域
イ 建築物 高さ十メートル又は床面積の合計二百平方メートル
ロ 道路 幅員二メートル
ハ 鉄塔、煙突、電柱その他これらに類するもの 高さ三十メートル
ニ ダム 高さ二十メートル
ホ 送水管、ガス管その他これらに類するもの 長さ二百メートル又は水平投影面積二百平方メートル
ヘ その他の工作物 高さ十メートル又は水平投影面積二百平方メートル
二  海面の区域
イ 水底線路、送水管、ガス管その他これらに類するもの 長さ百メートル又は水平投影面積百平方メートル
ロ その他の工作物 高さ五メートル又は水平投影面積百平方メートル

(普通地区内における行為の制限の対象とならない国又は地方公共団体の行為)

第二十八条

法第二十八条第六項第四号 の環境省令で定める行為は、第十八条各号に掲げるものとする。

(普通地区内における届出等を要しない行為)

第二十九条

法第二十八条第六項第五号 の環境省令で定める行為は、次の各号に掲げるものとする。
一 工作物を新築し、改築し、又は増築することであつて次に掲げるもの
イ 第十九条第一号に掲げるもの(同号ツ、ラ及びムに掲げるものを除く。)
ロ 主として徒歩又は自転車による交通の用に供する道路を新築し、改築し、又は増築すること。
ハ 送水管、ガス管、電気供給のための電線路、有線電気通信のための線路その他これらに類するものを埋設すること。
ニ 幅員が四メートル以下の河川その他の公共の用に供する水路を新築し、改築し、又は増築すること(改築又は増築後において幅員が四メートルを超えるものとなる場合における改築又は増築を除く。)。
ホ 法第二十八条第一項 の規定による届出(法第三十条 において準用する法第二十一条第二項 の規定による通知を含む。)を了した行為(法第二十八条第二項 の規定による命令に違反せず、かつ、同条第四項 の期間を経過したものに限る。)、この条の各号に掲げる行為又は第二十七条第一号に規定する基準を超えない工作物の新築、改築若しくは増築(改築又は増築後において同号に規定する基準を超えるものとなる場合における改築又は増築を除く。)を行うための仮設の工作物(宿舎を除く。)を、当該行為に係る工事敷地内において新築し、改築し、又は増築すること。
二 土地(海底を含む。以下この条において同じ。)の形質を変更することであつて次に掲げるもの
イ 第十七条第四号ロからホまでに掲げるもの
ロ 第二十七条第一号に規定する基準を超えない工作物の新築、改築又は増築(改築又は増築後において同号に規定する基準を超えるものとなる場合における改築又は増築を除く。)を行うために、当該新築、改築又は増築を行う土地の区域内において土地の形質を変更すること。
ハ 面積が二百平方メートル(海底にあつては百平方メートル)を超えない土地の形質の変更で、高さが二メートルを超えるを生ずる切土又は盛土を伴わないもの
三 鉱物を掘採し、又は土石を採取することであつて次に掲げるもの
イ 第十七条第五号ロからホまでに掲げるもの
ロ 当該行為の行われる土地の面積が二百平方メートル(海底にあつては百平方メートル)を超えず、かつ、高さが二メートルを超える法を生ずる切土又は盛土を伴わないもの
四 水面を埋め立て、又は干拓することであつて、面積が二百平方メートル(海面にあつては百平方メートル)を超えないもの
五 特別地区内の河川、湖沼等の水位又は水量に増減を及ぼさせることであつて次に掲げるもの
イ 特別地区内における田畑内の池沼等の水位又は水量に増減を及ぼさせること。
ロ 特別地区が指定され、又はその区域が拡張された際既にその新築、改築又は増築に着手していた工作物を操作することにより当該特別地区内の河川、湖沼等の水位又は水量に増減を及ぼさせること。
六 前各号に掲げるもののほか、次に掲げる行為
イ 水産資源保護法第十七条第一項 に規定する保護水面の管理計画に基づいて行う行為
ロ 農業、林業又は漁業を営むために行う行為。ただし、次に掲げる行為を除く。
(イ)住宅又は高さが十メートルを超え、若しくは床面積の合計が五百平方メートルを超える建築物(仮設のものを除く。)を新築し、改築し、又は増築すること(改築又は増築後において、高さが十メートルを超え、又は床面積の合計が五百平方メートルを超えるものとなる場合における改築又は増築を含む。)。
(ロ)用排水施設(幅員が四メートル以下の水路を除く。)又は幅員が四メートルを超える農道若しくは林道を新築し、改築し、又は増築すること(改築又は増築後において、幅員が、四メートルを超えるものとなる場合における改築又は増築を含む。)。
(ハ)農用地の災害を防止するためのダムを新築すること。
(ニ)宅地を造成すること。
(ホ)土地を開墾すること(農業を営む者が、その経営に係る農地又は採草放牧地に近接してこれと一体として経営することを目的として行うものを除く。)。
(ヘ)水面を埋め立て、又は干拓すること(農業を営む者が、農地又は採草放牧地の造成又は改良を行うために当該造成又は改良に係る土地に介在する池沼等を埋め立てることを除く。)。
ハ 魚礁の設置その他漁業生産基盤の整備又は開発のために行う行為
ニ 第十九条第十二号ニからリまでに掲げる行為(同号ヘに掲げる行為にあつては、建築物の新築を含む。)
ホ 建築物の存する敷地内で行う行為(建築物を新築し、改築し、又は増築することを除く。)
七 前各号に掲げる行為に付帯する行為

参照条文

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  • 自然公園法との関連は上記参照

前条:
自然環境保全法第27条
(海域特別地区)
自然環境保全法
第4章 自然環境保全地域
第二節 保全
次条:
自然環境保全法第29条
(報告及び検査等)


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