自然環境保全法第27条

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法学環境法自然環境保全法コンメンタール自然環境保全法

条文[編集]

(海域特別地区)

第27条

  1. 環境大臣は、自然環境保全地域に関する保全計画に基づいて、その区域内に、海域特別地区を指定することができる。
  2. 第十四条第四項及び第五項の規定は、海域特別地区の指定及び指定の解除並びにその区域の変更について準用する。
  3. 海域特別地区内においては、次の各号に掲げる行為は、環境大臣の許可を受けなければ、してはならない。ただし、非常災害のために必要な応急措置として行う行為又は第一号から第三号まで、第六号及び第七号に掲げる行為で漁具の設置その他漁業を行うために必要とされるものについては、この限りでない。
    工作物を新築し、改築し、又は増築すること。
    二 海底の形質を変更すること。
    三 鉱物を掘採し、又は土石を採取すること。
    四 海面を埋め立て、又は干拓すること。
    五 環境大臣が指定する区域内において、熱帯魚、さんご、海藻その他の動植物で、当該区域ごとに環境大臣が農林水産大臣の同意を得て指定するものを捕獲し、若しくは殺傷し、又は採取し、若しくは損傷すること。
    六 物を係留すること。
    七 環境大臣が指定する区域内において当該区域ごとに指定する期間内に動力船を使用すること。
    八 前各号に掲げるもののほか、海域特別地区における自然環境の保全に影響を及ぼすおそれがある行為で政令で定めるもの
  4. 第十七条第二項の規定は、前項の許可について準用する。
  5. 環境大臣は、第三項各号に掲げる行為で環境省で定める基準に適合しないものについては、同項の許可をしてはならない。
  6. 海域特別地区内において非常災害のために必要な応急措置として第三項各号に掲げる行為をした者は、その行為をした日から起算して十四日以内に、環境大臣にその旨を届け出なければならない。
  7. 第三項の規定により同項各号に掲げる行為が規制されることとなつた時において既に当該行為に着手している者は、その規制されることとなつた日から起算して六月間は、同項の規定にかかわらず、引き続き当該行為をすることができる。
  8. 前項に規定する者が同項の期間内に当該行為について環境大臣に届け出たときは、第三項の許可を受けたものとみなす。
  9. 次の各号に掲げる行為については、第三項及び第六項の規定は、適用しない。
    自然環境保全地域に関する保全事業の執行として行う行為
    認定生態系維持回復事業等として行う行為
    三 法令に基づいて国又は地方公共団体が行う行為のうち、自然環境保全地域における自然環境の保全に支障を及ぼすおそれがないもので環境省令で定めるもの
    四 通常の管理行為又は軽易な行為のうち、自然環境保全地域における自然環境の保全に支障を及ぼすおそれがないもので環境省令で定めるもの 

   

解説[編集]

本条は、自然環境保全地域のうち海域特別地区に関する規定である。自然公園法の海域公園地区、自然環境保全法の海域特別地区とも、2010年施行の改正(平成21年法律第47号)により、名称が、それぞれ、「海中公園地区」「海中特別地区」から変更された[1]

第1項は、自然環境保全地域に関する保全計画に基づいて、自然環境保全地域の区域内の海域を対象に、環境大臣14が指定するということを規定している。

第2項は、海域特別地区の指定及び指定の解除並びにその区域の変更については、第条の準用により、官報での公示により効力が発生することとなる趣旨の規定である。

第3項以下は、海域特別地区における環境大臣の許可を要する行為に関する規定である。なお、自然公園法の海域公園地区、自然環境保全法の海域特別地区とも、許可制をとっている。

  • 自然環境保全地域と自然公園の区域(地域)分け対比
自然環境保全地域 特別地区(自然環境保全法第25条
一定の行為についての許可制
海域特別地区(自然環境保全法第27条
一定の行為についての許可制
普通地区(自然環境保全法第28条
一定の行為についての届出制
自然公園 特別地域(自然公園法第20条
特別保護地区、利用調整地区の指定も可
一定の行為についての許可制
海域公園地区(自然公園法第22条
利用調整地区の指定も可
一定の行為についての許可制
普通地域(自然公園法第33条
一定の行為についての届出制

自然環境保全地域、自然公園とも、右に記載のいずれかの地区・地域に含まれる。



脚注[編集]

  1. ^ 環境省『EICネット 環境用語集:「海域公園地区」』 2011年1月25日閲覧

参照条文

施行規則[編集]

本条に直接関係する環境省令を一括して掲載する。

(海域特別地区内の行為の許可基準)

第二十三条

法第二十七条第五項 の環境省令で定める基準は、次の各号に掲げる行為の区分に従い、当該各号に定めるとおりとする。
一 工作物を新築すること。
イ 仮設の工作物(ハに掲げるものを除く。)
(1) 当該工作物の構造が、容易に移転し、又は除却することができるものであること。
(2) 当該新築の方法並びに当該工作物の規模、形態及び用途が、新築の行われる海域及びその周辺の海域における自然環境の保全に支障を及ぼすおそれが少ないこと。
ロ 海底下に設ける工作物(ハに掲げるものを除く。)
 当該新築の方法並びに当該工作物の位置、規模及び用途が、新築の行われる海域及びその周辺の海域における自然環境の保全に支障を及ぼすおそれが少ないこと。
ハ 次に掲げる工作物
 当該新築の方法並びに当該工作物の規模及び形態が、新築の行われる海域及びその周辺の海域における自然環境の保全に支障を及ぼすおそれが少ないこと。
(イ) 海岸法第二条第一項 に規定する海岸保全施設その他の海水の侵入又は海水による侵食を防止するための施設
(ロ) 漁港漁場整備法第三条 に規定する漁港施設又は同法第四十条 の規定により漁港施設とみなされた施設
(ハ) 港湾法第二条第六項 の規定により港湾施設とみなされた施設
(ニ) 航路標識その他船舶の交通の安全を確保するための施設(航路を確保するための施設を含む。)
(ホ) 航空法第二条第五項 に規定する航空保安施設
(ヘ) 電気供給のための電線路、電気通信事業法第百四十条第一項 に規定する水底線路、送水管その他これらに類するもの
(ト) 気象、地象、地動、地球磁気、地球電気又は水象の観測のための施設
(チ) 教育又は試験研究を行うための施設
二 工作物を改築すること。
イ 海底下に設ける工作物
 当該改築の方法及び改築後の工作物の用途が、改築の行われる海域及びその周辺の海域における自然環境の保全に支障を及ぼすおそれが少ないこと。
ロ その他の工作物
(1) 当該改築後の工作物の高さが、改築前の工作物の高さを超えないこと。
(2) 当該改築の方法並びに改築後の工作物の形態及び用途が、改築の行われる海域及びその周辺の海域における自然環境の保全に支障を及ぼすおそれが少ないこと。
三 工作物を増築すること。
イ 仮設の工作物
(1) 当該増築部分の構造が、容易に移転し、又は除却することができるものであること。
(2) 当該増築の方法並びに増築後の工作物の規模、形態及び用途が、増築の行われる海域及びその周辺の海域における自然環境の保全に支障を及ぼすおそれが少ないこと。
ロ 海底下に設ける工作物
 当該増築の方法並びに増築後の工作物の規模及び用途が、増築の行われる海域及びその周辺の海域における自然環境の保全に支障を及ぼすおそれが少ないこと。
ハ その他の工作物
 当該増築の方法並びに増築後の工作物の規模、形態及び用途が、増築の行われる海域及びその周辺の海域における自然環境の保全に支障を及ぼすおそれが少ないこと。
四 海底の形質を変更すること。
 当該海底の形質の変更が、次のいずれかに該当し、かつ、変更の方法及び規模が、変更を行う海底の区域及びその周辺の海域における自然環境の保全に支障を及ぼすおそれが少ないこと。
イ 船舶の交通の安全を確保するために海底の形質を変更すること。
ロ 教育又は試験研究のために海底の形質を変更すること。
ハ 文化財保護法第百九条第一項 の規定により指定され、又は同法第百十条第一項 の規定により仮指定された史跡名勝天然記念物の保存のために海底の形質を変更すること。
五 鉱物を掘採し、又は土石を採取すること。
 当該行為が、次のいずれかに該当し、かつ、行為の方法及び規模が、行為を行う海底の区域及びその周辺の海域における自然環境の保全に支障を及ぼすおそれが少ないこと。
イ 工作物の新築、改築又は増築を行うための地質調査のために鉱物を掘採し、又は土石を採取すること。
ロ 船舶の交通の安全を確保するために土石を採取すること。
ハ 水又は温泉をゆう出させるために土石を採取すること。
ニ 教育又は試験研究のために鉱物を掘採し、又は土石を採取すること。
ホ 海底下において鉱物を掘採し、又は土石を採取すること。
六 海面を埋め立て、又は干拓すること。
 当該行為の方法及び規模が、行為を行う海域及びその周辺の海域における自然環境の保全に支障を及ぼすおそれが少ないこと。
七 環境大臣が指定する区域内において、熱帯魚、さんご、海藻その他の動植物で、当該区域ごとに環境大臣が農林水産大臣の同意を得て指定するものを捕獲し、若しくは殺傷し、又は採取し、若しくは損傷すること。
 当該行為が、教育又は試験研究のために行われるものであり、かつ、行為の方法及び規模が、行為を行う海域の動植物の生育状況に照らして、それらに支障を及ぼすおそれが少ないこと。
八 物を係留すること。
 当該係留される物の種類及び用途並びに係留の方法及び規模が、係留の行われる海域及びその周辺の海域における自然環境の保全に支障を及ぼすおそれが少ないこと。
九 環境大臣が指定する区域内において当該区域ごとに指定する期間内に動力船を使用すること。
 当該動力船の使用の方法及び規模が、使用の行われる海域及びその周辺の海域における自然環境の保全に支障を及ぼすおそれが少ないこと。
十 次に掲げる行為
 前各号の規定にかかわらず、当該行為が、行為の行われる海域及びその周辺の海域における自然環境の保全に支障を及ぼすおそれが少ないこと。
イ 災害の防止のために必要やむを得ない行為
ロ 魚礁の設置その他漁業生産基盤の整備又は開発のための行為
ハ 法令に基づく行政庁の勧告に応じて行う行為
(海域特別地区内における行為の制限の対象とならない国又は地方公共団体の行為)

第二十四条

法第二十七条第九項第三号 の環境省令で定める行為は、次の各号に掲げるものとする。
一 海岸法第二条第一項 に規定する海岸保全施設を改築し、又は増築すること。
二 港湾法第二条第六項 の規定により港湾施設とみなされた施設であつて、海域特別地区が指定され、若しくはその区域が拡張された際現に同項 の規定による認定がなされているもの又は法第三十条 において準用する法第二十一条第一項 後段の規定による協議を了して設置されたものを改築し、又は増築すること。
自衛隊がその任務を遂行するために動力船を使用すること。
四 国又は地方公共団体が法令に基づきその任務とされている遭難者を救助するための業務(当該業務及び非常災害に対処するための業務に係る訓練を含む。)、犯罪の予防又は捜査その他の公共の秩序を維持するための業務、交通の安全を確保するための業務、水路業務その他これらに類する業務を行うために動力船を使用すること。
五 前各号に掲げる行為に付帯する行為

(海域特別地区内における許可等を要しない行為)

第二十五条

法第二十七条第九項第四号 の環境省令で定める行為は、次の各号に掲げるものとする。
一 漁港漁場整備法第三条第一号 に掲げる施設、海域特別地区が指定され、若しくはその区域が拡張された際現に同法第四十条 の規定により漁港施設とみなされている施設又は同条 の規定により漁港施設とみなされた施設であつて法第二十七条第三項 の規定による許可を受けて設置されたもの(法第三十条 において準用する法第二十一条第一項 後段の規定による協議に係るものを含む。)を改築し、又は増築すること。
二 航路標識その他船舶の交通の安全を確保するための施設(航路を確保するための施設を除く。)を改築し、又は増築すること。
三 船舶又は積荷の急迫した危難を避けるための応急措置として仮設の工作物を新築すること。
四 気象、地象、地動、地球磁気、地球電気又は水象の観測のための施設を改築し、又は増築すること。
五 海域特別地区外から掘さくして当該海域特別地区内の海底下に至る鉱物の掘採のための試すいを行うこと。
六 国又は地方公共団体の水産関係試験研究機関が、試験研究のために行う法第二十七条第三項第五号 に掲げる行為(あらかじめ、環境大臣に通知したものに限る。)
学校教育法第一条 に規定する大学の農水産系若しくは理工系の学部又は研究所等における教育又は学術研究として行う法第二十七条第三項第五号 に掲げる行為(あらかじめ、環境大臣に届け出たもの(公立の大学にあつては、環境大臣に通知したもの)に限る。)
八 航路標識その他船舶の交通の安全を確保するための施設を係留すること。
九 専ら海上の航行の用に供する船舶を係留すること。
十 船舶又は積荷の急迫した危難を避けるための応急措置として物を係留すること。
十一 気象、地象、地動、地球磁気、地球電気又は水象の観測のための施設を係留すること。
十二 敷設又は修理中の電気通信事業法第百四十条第一項 に規定する水底線路の位置を示す浮標を係留すること。
十三 法令の規定により、又は保安の目的で浮標を係留すること。
十四 森林施業のために動力船を使用すること。
十五 漁港漁場整備法第四条 に規定する漁港漁場整備事業を実施するために動力船を使用すること。
十六 漁港漁場整備法第二十六条 の規定により漁港管理者が、適正に、漁港の維持、保全及び運営その他漁港の維持管理を行うために動力船を使用すること。
十七 遊漁船業の適正化に関する法律 (昭和六十三年法律第九十九号)第三条第一項 の規定により遊漁船業の登録を受けた者が、同法第二条第一項 に規定する遊漁船業を行うために動力船を使用すること。
十八 港湾運送事業法 (昭和二十六年法律第百六十一号)第四条 の規定により一般港湾運送事業、はしけ運送事業又はいかだ運送事業の許可を受けた者がそれぞれ一般港湾運送事業、はしけ運送事業又はいかだ運送事業を行うために動力船を使用すること。
十九 港湾法第二条第三項 に規定する港湾区域、同法第三十七条第一項 に規定する港湾隣接地域又は同法第五十六条第一項 の規定により都道府県知事が公告した水域において動力船を使用すること。
二十 海岸法第三条 に規定する海岸保全区域の管理のために動力船を使用すること。
二十一 美しく豊かな自然を保護するための海岸における良好な景観及び環境の保全に係る海岸漂着物等の処理等の推進に関する法律 (平成二十一年法律第八十二号)第二条第二項 に規定する海岸漂着物等及び海域におけるごみその他の汚物又は不要物の収集又は運搬を行うために動力船を使用すること。
二十二 外国船舶が海洋法に関する国際連合条約第十九条に定めるところによる無害通航である航行として動力船を使用すること。
二十三 船舶又は積荷の急迫した危難を避けるために動力船を使用すること。
二十四 郵便物の取集、運送及び配達を行うために動力船を使用すること。
二十五 国又は地方公共団体の試験研究機関が、試験研究のために動力船を使用すること(あらかじめ、環境大臣に通知したものに限る。)。
二十六 前各号に掲げるもののほか、次に掲げる行為
イ 水産資源保護法第十七条第一項 に規定する保護水面の管理計画に基づいて行う行為
ロ 文化財保護法第百九条第一項 の規定により指定され、又は同法第百十条第一項 の規定により仮指定された史跡名勝天然記念物の保存のための行為(海底の形質を変更することを除く。)
ハ 法令又はこれに基づく処分による義務の履行として行う行為
ニ 工作物の修繕のための行為
二十七 前各号に掲げる行為に付帯する行為

参照条文[編集]


前条:
自然環境保全法第26条
(野生動植物保護地区)
自然環境保全法
第4章 自然環境保全地域
第二節 保全
次条:
自然環境保全法第28条
(普通地区)


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