刑事訴訟法第301条の2
表示
法学>コンメンタール>コンメンタール刑事訴訟法=コンメンタール刑事訴訟法/改訂
条文
[編集](取り調べの録音・録画と記録媒体の証拠調べの請求)
- 第301条の2
- 次に掲げる事件については、検察官は、第322条第1項の規定により証拠とすることができる書面であつて、当該事件についての第198条第1項の規定による取調べ(逮捕又は勾留されている被疑者の取調べに限る。第3項において同じ。)又は第203条第1項、第204条第1項若しくは第205条第1項(第211条及び第216条においてこれらの規定を準用する場合を含む。第3項において同じ。)の弁解の機会に際して作成され、かつ、被告人に不利益な事実の承認を内容とするものの取調べを請求した場合において、被告人又は弁護人が、その取調べの請求に関し、その承認が任意にされたものでない疑いがあることを理由として異議を述べたときは、その承認が任意にされたものであることを証明するため、当該書面が作成された取調べ又は弁解の機会の開始から終了に至るまでの間における被告人の供述及びその状況を第4項の規定により記録した記録媒体の取調べを請求しなければならない。ただし、同項各号のいずれかに該当することにより同項の規定による記録が行われなかつたことその他やむを得ない事情によつて当該記録媒体が存在しないときは、この限りでない。
- 死刑又は無期拘禁刑に当たる罪に係る事件
- 短期1年以上の有期の拘禁刑に当たる罪であつて故意の犯罪行為により被害者を死亡させたものに係る事件
- 司法警察員が送致し又は送付した事件以外の事件(前二号に掲げるものを除く。)
- 検察官が前項の規定に違反して同項に規定する記録媒体の取調べを請求しないときは、裁判所は、決定で、同項に規定する書面の取調べの請求を却下しなければならない。
- 前二項の規定は、第1項各号に掲げる事件について、第324条第1項において準用する第322条第1項の規定により証拠とすることができる被告人以外の者の供述であつて、当該事件についての第198条第1項の規定による取調べ又は第203条第1項、第204条第1項若しくは第205条第1項の弁解の機会に際してされた被告人の供述(被告人に不利益な事実の承認を内容とするものに限る。)をその内容とするものを証拠とすることに関し、被告人又は弁護人が、その承認が任意にされたものでない疑いがあることを理由として異議を述べた場合にこれを準用する。
- 検察官又は検察事務官は、第1項各号に掲げる事件(同項第3号に掲げる事件のうち、関連する事件が送致され又は送付されているものであつて、司法警察員が現に捜査していることその他の事情に照らして司法警察員が送致し又は送付することが見込まれるものを除く。)について、逮捕若しくは勾留されている被疑者を第198条第1項の規定により取り調べるとき又は被疑者に対し第204条第1項若しくは第205条第1項(第211条及び第216条においてこれらの規定を準用する場合を含む。)の規定により弁解の機会を与えるときは、次の各号のいずれかに該当する場合を除き、被疑者の供述及びその状況を録音及び録画を同時に行う方法により記録媒体に記録しておかなければならない。司法警察職員が、第1項第1号又は第2号に掲げる事件について、逮捕若しくは勾留されている被疑者を第198条第1項の規定により取り調べるとき又は被疑者に対し第203条第1項(第211条及び第216条において準用する場合を含む。)の規定により弁解の機会を与えるときも、同様とする。
- 記録に必要な機器の故障その他のやむを得ない事情により、記録をすることができないとき。
- 被疑者が記録を拒んだことその他の被疑者の言動により、記録をしたならば被疑者が十分な供述をすることができないと認めるとき。
- 当該事件が暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成3年法律第77号)第3条の規定により都道府県公安委員会の指定を受けた暴力団の構成員による犯罪に係るものであると認めるとき。
- 前二号に掲げるもののほか、犯罪の性質、関係者の言動、被疑者がその構成員である団体の性格その他の事情に照らし、被疑者の供述及びその状況が明らかにされた場合には被疑者若しくはその親族の身体若しくは財産に害を加え又はこれらの者を畏怖させ若しくは困惑させる行為がなされるおそれがあることにより、記録をしたならば被疑者が十分な供述をすることができないと認めるとき。
改正経緯
[編集]以下のとおり改正。2025年6月1日施行。
- 第1項第1号
- (改正前)無期の懲役若しくは禁錮
- (改正後)無期拘禁刑
- 第1項第2号
- (改正前)有期の懲役若しくは禁錮
- (改正後)拘禁刑
解説
[編集]2016年改正により新設。
参照条文
[編集]判例
[編集]
|
|