民法第675条
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法学>民事法>コンメンタール民法>第3編 債権 (コンメンタール民法)
条文
[編集](組合の債権者の権利の行使)
- 第675条
- 組合の債権者は、組合財産についてその権利を行使することができる。
- 組合の債権者は、その選択に従い、各組合員に対して損失分担の割合又は等しい割合でその権利を行使することができる。ただし、組合の債権者がその債権の発生の時に各組合員の損失分担の割合を知っていたときは、その割合による。
改正経緯
[編集]2017年改正により以下のとおり改正
- 前提として、条件のない組合財産に対する権利の行使であることを明示。
- 見出しの改正。
- (改正前)組合員に対する組合の債権者の権利の行使
- (改正後)組合の債権者の権利の行使
- 第1項の新設。それに伴い、旧本文は第2項に繰り下げられた。
- 見出しの改正。
- 権利行使が各組合員に対して、債券の発生時に組合員間の損失分担の割合を知っていた場合を除き、等分か、損失分担の割合に従うかは、債権者の選択によるものとした。改正前は、以下のとおり、損失分担の割合を原則とし、それを知らない場合に等分としていた。
- (改正前)組合の債権者は、その債権の発生の時に組合員の損失分担の割合を知らなかったときは、各組合員に対して等しい割合でその権利を行使することができる。
解説
[編集]組合財産に対する、債権者の権利行使について定める。
ただし、組合自体は法主体ではないため、実際は各組合員に対する分割債権に対する権利行使となる。
この場合、組合契約などで損失分担の割合を定めることがあり、組合員の一人が組合及び他の組合員を訴える場合等は、当事者はそれを認知しているので既定の損失分担の割合によるべきであるが、定めが曖昧であったり、外部の第三者が訴える場合には、これが明確ではないので、選択できるものとした。
判例
[編集]- (大審院昭和11年2月25日判決 民集15巻281号)
- 組合が組合員個人に対する第三者の債務を引受くるも混同を生ずることなし
- 売掛金等請求 (最高裁判決 昭和48年10月09日)民法第33条、民法第427条、民事訴訟法第46条
- 権利能力のない社団の取引上の債務と社団構成員の責任
- 権利能力のない社団の代表者が社団の名においてした取引上の債務は、社団の構成員全員に一個の義務として総有的に帰属し、社団の総有財産だけがその責任財産となり、構成員各自は、取引の相手方に対し個人的債務ないし責任を負わない。
- 精算金(最高裁判決 平成10年04月14日)民法第442条,民法第501条,商法第511条1項,和議法第5条,和議法第45条,和議法第57条,破産法第24条,破産法第26条,破産法第104条,破産法第32条
- 構成員に会社を含む共同企業体の債務と各構成員の連帯債務関係
- 構成員に会社を含む共同企業体の各構成員は、共同企業体がその事業のために第三者に対して負担した債務につき連帯債務を負う。
- 和議開始の申立てをした連帯債務者の一人に対し他の連帯債務者が右申立てを知って和議開始決定前の弁済により取得した求償権をもって相殺することの可否
- 連帯債務関係が発生した後に連帯債務者の一人が和議開始の申立てをした場合において、右申立てを知って和議開始決定前の弁済により求償権を取得した他の連帯債務者は、右求償権をもって和議債務者の債権と相殺することができる。
- 和議認可決定を受けた連帯債務者の一人に対し他の連帯債務者が和議開始決定後の弁済により取得した求償権をもってする相殺の要件及び限度
- 連帯債務者の一人について和議認可決定が確定した場合において、和議開始決定後の弁済により求償権を取得した他の連帯債務者は、債権者が全額の弁済を受けたときに限り、右弁済によって取得する債権者の和議債権(和議条件により変更されたもの)の限度で右求償権をもって和議債務者の債権と相殺することができる。
- 構成員に会社を含む共同企業体の債務と各構成員の連帯債務関係
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