刑法第235条
条文[編集]
(窃盗)
- 第235条
- 他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
改正経緯[編集]
2022年改正により、以下のとおり改正。施行日については未定(2022年10月10日時点)。
- (改正前)懲役
- (改正後)拘禁刑
解説[編集]
参照条文[編集]
- 刑法第243条(未遂罪)
- 未遂は、罰する。
- 盗犯等ノ防止及処分ニ関スル法律(盗犯等防止法)第2条
- 常習として左の各号の方法に依り刑法第235条<略>の罪又は其の未遂罪を犯したる者に対し窃盗を以て論ずべきときは3年以上<略>の有期懲役に処す
- 兇器を携帯して犯したるとき
- 2人以上現場に於て共同して犯したるとき
- 門戸牆壁等を踰越損壊し又は鎖鑰を開き人の住居又は人の看守する邸宅、建造物若は艦船に侵入して犯したるとき
- 夜間人の住居又は人の看守する邸宅、建造物若は艦船に侵入して犯したるとき
- 常習として左の各号の方法に依り刑法第235条<略>の罪又は其の未遂罪を犯したる者に対し窃盗を以て論ずべきときは3年以上<略>の有期懲役に処す
- 盗犯等ノ防止及処分ニ関スル法律第3条
- 常習として前条【盗犯等防止法第2条】に掲げたる刑法各条の罪又は其の未遂罪を犯したる者にして其の行為前10年内に此等の罪又は此等の罪と他の罪との併合罪に付3回以上6月の懲役以上の刑の執行を受け又は其の執行の免除を得たるものに対し刑を科すべきときは前条の例に依る
判例[編集]
- 窃盜(最高裁判決 昭和25年11月15日)
- 生産管理開始のときから占有していた物を後に領得した行為の擬律
- 被告人等が本件生産管理開始のときから判示鉄板を占有していたとしても、それは違法の占有であるから、後にこれを領得しても横領罪とはならず窃盗罪となる。
- 生産管理において労働者の団体が工場、設備、資材等を接収してその占有下においた場合には会社側の占有を完全に離脱するか
- 原判決が、生産管理においては労働者の団体が工場、設備、資材等一切のものを接収してその占有下におくと判示し、本件においては被告人が既に生産管理に入つたものであることを認めながら、而も他方において判示鉄板は「会社の占有を完全に離脱したものでない」と判示したのは、生産管理開始により労働者の図体が工場、設備、資材等一切のものを自己の支配下におき占有を取得したと言つても、個々の資材物件等については、それが会社構内に存置せられる以上、会社側にもなお占有が存するという趣旨に解すべきである。
- 労働者が生産管理中の工場から争議期間中の賃金支払にあてる目的をもつて工場資材を工場外に搬出した行為と窃盗罪の成立
- 論旨は、原判決が、本件鉄板は会社の占有を完全に離脱したものではないので被告人等が壇にこれを工場外に搬出した行為は会社の所持を奪つたものであり、窃盗の罪責を免れない、と判示したことを非難し生産管理の下においては占有の所持は労働者側にあり、会社は観念上間接占有を有するに過ぎないから、所持の奪取即ち窃盗はあり得ないい。被告人等には占有奪取の意思もなく、不正領得の意思もなかつたと主張する。しかし労働者側がいわゆる生産管理開始のとき工場、設備、資材等をその占有下においたのは違法の占有であり、判示鉄板についてもそのとき会社側の占有に対して占有の侵奪があつたというべきであるが、原判決はこれを工場外に搬出したとき不法領得の実現行為があつたものと認定したものである。これを証拠に照らし合わせて考えてみても、被告人等が争議期間中の労働者の賃金支払等に充てるために売却する目的を以て、会社側の許可なくしてこれを工場外に運び出し、自己の事実上の支配内に收めた行為は、正に不法領得の意思を以て会社の所持を奪つたものというべきであつて、原判決が窃盗罪にあたるものとしたのは当然である。
- 生産管理開始のときから占有していた物を後に領得した行為の擬律
- 窃盗(最高裁判例 昭和62年4月10日)
- ゴルフ場内のいわゆるロストボールが窃盗罪の客体になるとされた事例
- ゴルフアーが誤つてゴルフ場内の人工池に打ち込み放置したいわゆるロストボールも、ゴルフ場側が早晩その回収、再利用を予定しているときは、ゴルフ場側の所有及び占有に係るものとして窃盗罪の客体になる。
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