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刑法第235条

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』

条文

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(窃盗)

第235条
他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金に処する。

改正経緯

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2022年、以下のとおり改正(施行日2025年6月1日)。

(改正前)懲役
(改正後)拘禁刑

解説

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Wikipedia
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ウィキペディア窃盗罪の記事があります。

参照条文

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  • 刑法第243条(未遂罪)
    未遂は、罰する。
  • 盗犯等ノ防止及処分ニ関スル法律(盗犯等防止法)第2条
    常習として左の各号の方法に依り刑法第235条<略>の罪又は其の未遂罪を犯したる者に対し窃盗を以て論ずべきときは3年以上<略>の有期懲役に処す
    1. 兇器を携帯して犯したるとき
    2. 2人以上現場に於て共同して犯したるとき
    3. 門戸牆壁等を踰越損壊し又は鎖鑰を開き人の住居又は人の看守する邸宅、建造物若は艦船に侵入して犯したるとき
    4. 夜間人の住居又は人の看守する邸宅、建造物若は艦船に侵入して犯したるとき
  • 盗犯等ノ防止及処分ニ関スル法律第3条
    常習として前条【盗犯等防止法第2条】に掲げたる刑法各条の罪又は其の未遂罪を犯したる者にして其の行為前10年内に此等の罪又は此等の罪と他の罪との併合罪に付3回以上6月の懲役以上の刑の執行を受け又は其の執行の免除を得たるものに対し刑を科すべきときは前条の例に依る

判例

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  1. 強盗、窃盗、住居侵入(最高裁判決昭和24年12月22日)
    貨物列車から積荷を突落す方法による窃盗罪の成立
    原判決判示就中「突落し以て窃盗し」との判示とその舉示の證據殊に原審公判廷における被告人Aの突落した後同被告人等兩名は間もなく突落した現場に行き品物をAの家に持ち歸つた旨の供述とを對照すれば、原判示は、積荷を列車外に突落し拾う計畫を實行して拾つた趣旨をも含むものと解することができる。しかのみならず、鐵道線路の地理現場の事情に精通していると認められる鐵道機關助士である被告人等が判示のごとく共謀計畫して判示のごとく定められた目的の地點で積荷を列車外に突落した本件においては、特をの事情の認められない限り、その目的の地點に積荷を突落したるきその物件は他人の支配を脱して被告人等凶暴者の實力支配内に置かれたものを見ることができる。
  2. 窃盗、物価統制令違反(最高裁判決昭和25年6月6日)
    共同占有における窃盜罪の成立
    原審舉示の證據によれば少なくとも判示係長も占有を有して居たことが認められる。共同占有の場合、共同占有者の占有を奪つて自己單獨の占有に移す行爲は窃盜を以て目すべきこと大審院判例の認める處で其解釋は正當である。
  3. 強盗致傷、住居侵入(最高裁判決昭和25年8月29日)
    強窃盜罪における奪取行爲の目的たる財物の意義と共産黨の中央指令等は同罪の財物にあたるか
     強、窃盜罪において奪取行爲の目的となる財物とは、財産權殊に所有權の目的となり得べき物を言い、それが金銭的乃至經濟價値を有するや否やは問うところではない。それゆえ、原判決の引用する證據によつて認められる原判示の共産黨の中央指令綴一冊外書類印鑑等數十點は、もとより強、窃盜罪の客体たる財物に當るものと云わなければならない。
  4. 窃盜(最高裁判決 昭和25年11月15日)
    1. 生産管理開始のときから占有していた物を後に領得した行為の擬律
      被告人等が本件生産管理開始のときから判示鉄板を占有していたとしても、それは違法の占有であるから、後にこれを領得しても横領罪とはならず窃盗罪となる。
    2. 生産管理において労働者の団体が工場、設備、資材等を接収してその占有下においた場合には会社側の占有を完全に離脱するか
      原判決が、生産管理においては労働者の団体が工場、設備、資材等一切のものを接収してその占有下におくと判示し、本件においては被告人が既に生産管理に入つたものであることを認めながら、而も他方において判示鉄板は「会社の占有を完全に離脱したものでない」と判示したのは、生産管理開始により労働者の図体が工場、設備、資材等一切のものを自己の支配下におき占有を取得したと言つても、個々の資材物件等については、それが会社構内に存置せられる以上、会社側にもなお占有が存するという趣旨に解すべきである。
    3. 労働者が生産管理中の工場から争議期間中の賃金支払にあてる目的をもつて工場資材を工場外に搬出した行為と窃盗罪の成立
      論旨は、原判決が、本件鉄板は会社の占有を完全に離脱したものではないので被告人等が壇にこれを工場外に搬出した行為は会社の所持を奪つたものであり、窃盗の罪責を免れない、と判示したことを非難し生産管理の下においては占有の所持は労働者側にあり、会社は観念上間接占有を有するに過ぎないから、所持の奪取即ち窃盗はあり得ないい。被告人等には占有奪取の意思もなく、不正領得の意思もなかつたと主張する。しかし労働者側がいわゆる生産管理開始のとき工場、設備、資材等をその占有下においたのは違法の占有であり、判示鉄板についてもそのとき会社側の占有に対して占有の侵奪があつたというべきであるが、原判決はこれを工場外に搬出したとき不法領得の実現行為があつたものと認定したものである。これを証拠に照らし合わせて考えてみても、被告人等が争議期間中の労働者の賃金支払等に充てるために売却する目的を以て、会社側の許可なくしてこれを工場外に運び出し、自己の事実上の支配内に收めた行為は、正に不法領得の意思を以て会社の所持を奪つたものというべきであつて、原判決が窃盗罪にあたるものとしたのは当然である。
  5. 強盗傷人、窃盗(最高裁判決昭和26年7月13日)
    1. 窃盗罪の成立に必要な不正領得の意思及び窃盗犯人に不正領得の意思が認められる一事例
      刑法上窃盗罪の成立に必要な不法領得の意思とは、権利者を排除し他人の物を自己の所有物と同様にその経済的用法に従いこれを利用し又は処分する意思をいうのであつて、永久的にその物の経済的利益を保持する意思であることを必要としないのであるから、被告人等が対岸に該船を乗り捨てる意思で前記肥料船に対するAの所持を奪つた以上、一時的にも該船の権利を排除し終局的に自ら該船に対する完全な支配を取得して所有者と同様の実を挙げる意思即ち右にいわゆる不正領得の意思がなかつたという訳にはゆかない。
    2. 強盗傷人と窃盗の二罪を構成する例
      被告人等が本件強盗傷人の罪を犯す当時には未だ本件窃盗を犯す意思は全然なく、右強盗傷人が既遂となり逃走の途中偶然の機会において新たに本件窃盗の犯意を生じたものであることは原判決挙示の証拠上疑いのないところであるばかりでなく、それらの行為自体からみても、はた又被害法益の点からみても、本件強盗傷人と窃盗の二罪を構成し、所論のように単一の犯罪を構成するものと認めるべきでないことは多言を要しないところである。
  6. 窃盜(最高裁判決 昭和26年8月9日)
    所持禁止の財物に対する窃盗罪の成立
    刑法における財物取罪の規定は人の財物に対する事実上の所持を保護せんとするものであつて、これを所持するものが法律上その所持を禁じられて居る場合でも現実にこれを所持して居る事実がある以上社会の法的秩序を維持する必要上物の所持という事実上の状態それ自体が保護せられみだりに不正手段によつてこれを侵すことを許さぬものであることは当裁判所判例の示すところである(昭和24年(れ)第2890号同25年4月11日第三小法廷判決)。さればAが事実上所持していた本件濁酒が所論の如く所有並に所持を禁じられていたものであるとしても被告人が不正手段によつて同人の所持を奪つた判示行為に対し窃盗罪として処断した原判決は正当であるばかりでなくまた判例に反するものでもない。
  7. 窃盜(最高裁判決昭和28年4月7日)
    財物に対する事実上の支配の奪取及び不法領得の意思がないため窃盗罪の成立しない一事例
    農業協同組合の販売主任又は倉庫係である被告人両名が、同組合倉庫に保管中の政府所有米の俵数が不足しているのを発見した結果、単に政府所有米の俵数を増して在庫俵数のつじつまを合せておくだけの目的で、同組合長の管理する右倉庫中の政府所有米の各俵から米をすこしずつ抜き取り、これを倉庫外には全然持ち出すことなく、その倉庫内でその米によつて同じような米俵を作り、これを同じ場所に政府所有米として積んでおいたに過ぎない場合には、その米に対する事実上の支配の奪取及び不法領得の意思がないため、窃盗罪は成立しない。
  8. 賍物収受(最高裁判決昭和29年6月1日)
    支払呈示期間後に窃取された線引小切手は賍物といい得るか
    支払呈示期間後に窃取された線引小切手と雖も賍物といい得る。
    • 本件小切手は純然たる反古ではなく所有権の目的となり得る財物と認められる
  9. 詐欺、窃盗(最高裁決定昭和31年1月19日)
    • 宿泊客が宿泊費を払えず、旅館の提供したその所有の丹前、浴衣、帯、下駄を着用したまま旅館から立ち去った案件。宿泊料金については詐欺罪が成立している。
    窃盗罪にあたる一事例
    旅館の宿泊客が、不法領得の意思で、その旅館の提供したその所有の丹前、浴衣、帯、下駄を着用したまま旅館から立ち去る所為は、窃盗罪にあたる。
    • 斎藤悠輔裁判官の小数意見
      原判決は本件窃盗の目的物である丹前、浴衣、帯、下駄は被告人が旅館の承諾の下に借受けて着用したものと認定したことが明白であるから旅館に右物件の民法上の占有権は存在するかも知れないが刑法上の所持は専ら被告人に存するものと解するから被告人に不法領得の意思があつて右物件を旅館に返還しなかつたとしてもその所持を侵奪したものといえないから横領罪を構成することあるいは格別窃盗罪の成立を肯定できない。
      しかのみならず右丹前等の時価は5300円相当であるにかかわらず、旅館に遺留した洋服、靴等の時価は18500円であるというのであるから、それが他から騙取したものであるとしても右丹前等につき不法領得の意思を肯定することは経験則に反する。
  10. 窃盗(最高裁判決 昭和31年8月22日)
    磁石を用いてパチンコ機械から玉を取得する所為と窃盗罪の成否
    磁石を用いてパチンコ機械から玉を取る所為は、たとえその目的がパチンコ玉を景品交換の手段とするものであつたとしても、窃盗罪が成立する。
    • 磁石を用いて遊技場のパチンコ機械から玉を取る所為は、たとえ、その目的がパチンコ玉を景品交換の手段とするものであつたとしても、経営者の意思にもとづかないで、パチンコ玉の所持を自己に移すものであり、しかもこれを再び使用し、あるいは景品と交換すると否とは自由であるからパチンコ玉につきみずから所有者としてふるまう意思を表現したものというべきもので、所論のようにいわゆる使用窃盗とみるべきではなく、パチンコ玉に対する不法領得の意思が存するものと解するのが相当である。
  11. 窃盗(最高裁決定昭和32年1月24日)
    海中に取り落した物件について所持の認められる一事例
    海中に取り落した物件については、落主の意にもとづきこれを引き揚げようとする者が、その落下場所の大体の位置を指示し、その引揚方を人に依頼した結果、その人が該物件をその附近で発見したときは、依頼者がその発見された事実を知らなくても、依頼者はその物件に対し所持即ち事実上の支配管理を有するものと解すべきである。
  12. 窃盗(最高裁決定昭和32年4月25日)
    窃盗罪を構成する一事例
    他人からその所有の衣類在中の繩掛け梱包した行李を預かり保管中質種に供する目的で梱包を解き行李から衣類を取り出したときは、衣類の窃盗罪を構成する。
    • 他人からその所有の衣類在中の縄掛け梱包した行李一個を預り保管していたような場合は、所有者たる他人は行李在中の衣類に対しその所持を失うものでないから、被告人が他から金借する質種に供する目的で擅に梱包を解き右行李から衣類を取出したときは、衣類の窃盗罪を構成し横領罪を構成しない。
  13. 恐喝、傷害、窃盗(最高裁判決昭和32年7月16日)
    飼犬が所有者の事実上の支配を及ぼし得ない地域に出遊した場合とその所持
    飼犬が時に所有者の事実上の支配を及ぼし得べき地域外に出遊した場合でも、その習性として所有者の許に帰来するのを常としているものは、特段の事情の生じないかぎり、所有者の所持を離れたものということはできない。
  14. 窃盗(最高裁判決昭和32年10月15日)
    地方行政庁の管理する河川の敷地内に堆積する砂利、砂、栗石の無許可採取行為と窃盗罪の成否
    地方行政庁の管理する河川の敷地内に堆積している砂利、砂、栗石は、その占有を保持するため特段の事実上の支配がなされない限り、これを地方行政庁の許可なくして採取しても窃盗罪を構成しない。
    • 河川法の適用または準用ある河川は、地方行政庁が諸法令によつてこれを管理するのであるが、これらの法令による管理は、公共の利害に重大な関係がある河川を保全するための行政的措置であつて、河川またはその敷地もしくは流水の効用を保護助長することを目的とするものにほかならない。そして、地方行政庁の河川管理は、おのずから河川敷地内に堆積している砂利、砂、栗石にも及ぶことは当然であるが、その採取を地方行政庁の許可にかからしめているのは、採取行為が河川法19条にいう流水または敷地の現状等に影響を及ぼす恐れのある行為であるからであつて、地方行政庁が河川を管理するという一事によつて、河川敷地内に存し移動の可能性ある砂利等を当然に管理占有することによるものではない。
  15. 窃盜、同未遂(最高裁判決昭和32年11月8日)
    1. 刑法上の占有の意義
      刑法上の占有は人が物を実力的に支配する関係であつて、その支配の態様は物の形状その他の具体的事情によつて一様ではないが、必ずしも物の現実の所持または監視を必要とするものではなく、物が占有者の支配力の及ぶ場所に存在するを以つて足りる。
    2. 占有離脱物と認められない一事例
      被害者がバスを待つ間に写真機を身辺約30cmの個所に置き、行列の移動に連れて改札口の方に進んだが、改札口の手前約3.66mの所に来たとき、写真機を置き忘れたことに気づき直ちに引き返したところ、既にその場から持ち去られていたもので行列が動き始めてからその場所に引き返すまでの時間は約5分、写真機を置いた場所と引き返した点との距離は約19.58mに過ぎないような場合は、未だ被害者の占有を離れたものとはいえない。
  16. 公職選挙法違反、賍物収受窃盜(最高裁判決昭和33年4月17日)
    投票用紙の持出と不法領得の意思。
    市議会議員選挙に際し、特定の候補者に当選を得しめるため、後日その候補者の氏名を記入して投票中に混入し投票数を増加する目的をもつて、投票所管理者の保管する市選挙管理委員会所有にかかる市議会議員選挙の投票用紙をひそかに持ち出したときは、不法領得の意思なしというを得ず、窃盗罪を構成する。
  17. 窃盗(最高裁判決昭和35年4月26日)刑法第242条
    窃盗罪を構成する事例(譲渡担保)
    譲渡担保にとつた貨物自動車の所有権が債権者に帰属したとしても、債務者側において引き続き占有保管している右自動車を無断で債権者が運び去る所為は、窃盗罪を構成する。
  18. 窃盗(最高裁決定昭和35年9月9日)
    窃盗罪の成立する事例
    河川の流れに入り、大水で漂流中の木材一本(トガの木、直径3尺、長さ2間)を拾得して河岸に引揚げた上、その流失を防ぐため、附近の柱に巻きつけてあつた他人所有の電線3本長さ21m(同所からの揚水用モーターに送電するためのもので、当時は大水に備え一時支柱から外し、本柱にまきつけてあつた。)中の約12m(時価約金1,200円相当)を勝手に切断し、これを用いて前記木材を繋留した場合には、右電線を不法に領得する意思がなかつたものとはいえず、同電線窃盗の罪が成立するものと解するのが相当である。
  19. 窃盗(最高裁決定昭和35年9月13日)
    窃盗(浅蜊貝窃盗)罪の成立しない事例。
    原判決は、A漁業組合が本件漁場内に米粒大の浅蜊貝稚貝を砂と共に移殖したけれども、その移殖箇所には標識や垣は設けず、またその移殖稚貝の個々の識別はもとよりその数量さえも特定することができず、加うるにもともと同所には天然に繁殖した浅蜊貝も生存し、これと移植貝との交配によつてさらに繁殖したものであり、従つて本件漁場内に存在する浅蜊貝については、これらの三者の識別は不可能に近い趣旨を認定判示しているのであるから、被告人が捕獲した本件浅蜊貝についても、その個々が前記移殖貝であるとの認定は到底不可能であるといわねばならない。
  20. 強姦致傷、強姦、殺人、死体遺棄、窃盗(最高裁判決昭和41年4月8日)
    人を殺害した後被害者が身につけていた財物を奪取した行為が窃盗罪にあたるとされた事例
    野外において人を殺害した後、領得の意思を生じ、右犯行直後その現場で、被害者が身につけていた腕時計を奪取する行為は、窃盗罪を構成する。
  21. 窃盗、道路交通法違反(最高裁決定昭和55年10月30日)
    窃盗罪の成立に必要な不正領得の意思があるとされた事例
    他人所有の普通乗用自動車を、数時間にわたつて完全に自己の支配下に置く意図のもとに、駐車場から所有者に無断で乗り出し、その後約四時間余りの間乗り廻していたなどの事情があるときは、たとえ、使用後に元の場所に戻しておくつもりであつたとしても、右自動車に対する不正領得の意思があつたということができる。
  22. 常習累犯窃盗(最高裁判決 昭和55年12月23日)刑法第130条, 盗犯等の防止及び処分に関する法律第3条
    常習累犯窃盗の罪と窃盗の着手に至らない窃盗目的の住居侵入の罪との罪数関係
    窃盗を目的とする住居侵入の罪は、窃盗の着手にまで至らなかつた場合にも、盗犯等の防止及び処分に関する法律第3条の常習累犯窃盗の罪と一罪の関係にある。
  23. 窃盗(最高裁判決 昭和62年4月10日)
    ゴルフ場内のいわゆるロストボールが窃盗罪の客体になるとされた事例
    ゴルフアーが誤つてゴルフ場内の人工池に打ち込み放置したいわゆるロストボールも、ゴルフ場側が早晩その回収、再利用を予定しているときは、ゴルフ場側の所有及び占有に係るものとして窃盗罪の客体になる。
  24. 出資の受入、預り金及び金利等の取締等に関する法律違反、窃盗(最高裁決定平成元年7月7日)刑法第242条
    自動車金融により所有権を取得した貸主による自動車の引揚行為と窃盗罪の成否
    買戻約款付自動車売買契約により自動車金融をしていた貸主が、借主の買戻権喪失により自動車の所有権を取得した後、借主の事実上の支配内にある自動車を承諾なしに引き揚げた行為は、刑法242条にいう他人の占有に属する物を窃取したものとして窃盗罪を構成する。
  25. 窃盗被告事件(最高裁決定 平成16年8月25日)
    公園のベンチ上に置き忘れられたポシェットを領得した行為が窃盗罪に当たるとされた事例
    公園のベンチ上に置き忘れられたポシェットを領得した行為は,被害者がベンチから約27mしか離れていない場所まで歩いて行った時点で行われたことなど判示の事実関係の下では,窃盗罪に当たる。
  26. 建造物侵入,窃盗被告事件(最高裁決定 平成19年4月13日)
    1. 専らメダルの不正取得を目的として体感器と称する電子機器を身体に装着してパチスロ機で遊戯する行為の窃盗罪該当性
      専らメダルの不正取得を目的として体感器と称する電子機器を使用する意図のもとにこれを身体に装着してパチスロ機で遊戯する行為は,同機器がパチスロ機に直接には不正の工作ないし影響を与えないものであっても,窃盗罪の実行行為に当たる。
    2. 専らメダルの不正取得を目的として体感器と称する電子機器を身体に装着してパチスロ機で遊戯し取得したメダルについて窃盗罪が成立する範囲
      専らメダルの不正取得を目的として体感器と称する電子機器を使用する意図のもとにこれを身体に装着してパチスロ機で遊戯し取得したメダルについては,それが同機器の操作の結果取得されたものであるか否かを問わず,そのすべてについて窃盗罪が成立する。

前条:
刑法第234条の2
(電子計算機損壊等業務妨害)
刑法
第2編 罪
第36章 窃盗及び強盗の罪
次条:
刑法第235条の2
(不動産侵奪)
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