民法第511条

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法学民事法民法コンメンタール民法第3編 債権

条文[編集]

(差押えを受けた債権を受働債権とする相殺の禁止)

第511条
  1. 差押えを受けた債権の第三債務者は、差押え後に取得した債権による相殺をもって差押債権者に対抗することはできないが、差押え前に取得した債権による相殺をもって対抗することができる。
  2. 前項の規定にかかわらず、差押え後に取得した債権が差押え前の原因に基づいて生じたものであるときは、その第三債務者 は、その債権による相殺をもって差押債権者に対抗することができる。ただし、第三債務者が差押え後に他人の債権を取得したときは、この限りでない。

改正経緯[編集]

2017年改正により、以下のとおり改正

  1. 見出し/第1項 用語の改正
    • (改正前)支払の差止めを
    • (改正後)差押えを
  2. 第1項に以下の文言を確認的に付加。
    「差押え前に取得した債権による相殺をもって対抗することができる。」
  3. 第2項を新設。

解説[編集]

相殺することができない場合について定めた規定の一つである。

無制限説
第三債務者は、差押債務者に対して、差押え時に反対債権を有していれば、対抗できるとする。
第三債務者の保護を重視する、判例の立場。
制限説
第三債務者は、差押債務者に対して、差押え時に反対債権を有しるだけでは対抗できず、反対債権の弁済期が差押え債権の弁済期より先に到来する場合に限り、対抗できるとする。
差押え債権者による差押えの実効性を重視する。

参照条文[編集]

判例[編集]

  • 預金返還請求(最高裁判決 昭和39年12月23日)民訴法598条1項
  • 定期預金等請求(最高裁判決 昭和45年06月24日)民訴法598条1項
  • 転付預金債権支払請求(最高裁判決 昭和50年09月25日)民法第468条,民訴法第601条,手形法第39条,手形法第50条,手形法第77条
    債権が差し押えられた場合において、第三債務者が債務者に対して反対債権を有していたときは、その債権が差押後に取得されたものでないかぎり、右債権および被差押債権の弁済期の前後を問わず、両者が相殺適状に達しさえすれば、第三債務者は、差押後においても、右反対債権を自働債権として、被差押債権と相殺することができる。
  • 取立債権請求事件 (最高裁判決平成14年03月28日)

前条:
民法第510条
(差押禁止債権を受働債権とする相殺の禁止)
民法
第3編 債権

第1章 総則
第6節 債権の消滅

第2款 相殺
次条:
民法第512条
(相殺の充当)


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