民法第734条
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法学>民事法>コンメンタール民法>第4編 親族 (コンメンタール民法)
条文
[編集](近親者間の婚姻の禁止)
- 第734条
- 直系血族又は三親等内の傍系血族の間では、婚姻をすることができない。ただし、養子と養方の傍系血族との間では、この限りでない。
- 第817条の9の規定により親族関係が終了した後も、前項と同様とする。
解説
[編集]第1項は、戦後の民法改正においても、明治民法の規定(旧・民法第769条)をそのまま受け継がれている。 兄と妹、姉と弟、おばと甥、おじと姪は結婚できないが、父母や祖父母の養子、養親の実子等義理の関係であれば結婚できる。
参照条文
[編集]民法第744条(不適法な婚姻の取消し)
判例
[編集]- 遺族厚生年金不支給処分取消請求事件(最高裁判決 平成19年03月08日)厚生年金保険法第3条2項,厚生年金保険法第59条1項
- 厚生年金保険の被保険者であった叔父と内縁関係にあった姪が厚生年金保険法に基づき遺族厚生年金の支給を受けることのできる配偶者に当たるとされた事例
- 厚生年金保険の被保険者であった叔父と姪との内縁関係が,叔父と先妻との子の養育を主たる動機として形成され,当初から反倫理的,反社会的な側面を有していたものとはいい難く,親戚間では抵抗感なく承認され,地域社会等においても公然と受け容れられ,叔父の死亡まで約42年間にわたり円満かつ安定的に継続したなど判示の事情の下では,近親者間における婚姻を禁止すべき公益的要請よりも遺族の生活の安定と福祉の向上に寄与するという厚生年金保険法の目的を優先させるべき特段の事情が認められ,上記姪は同法に基づき遺族厚生年金の支給を受けることのできる配偶者に当たる。
参考
[編集]明治民法において、本条には以下の規定があった。
- 父カ子ノ出生前ニ離婚又ハ離縁ニ因リテ其家ヲ去リタルトキハ前条第一項ノ規定ハ懐胎ノ始ニ遡リテ之ヲ適用ス
- 前項ノ規定ハ父母カ共ニ其家ヲ去リタル場合ニハ之ヲ適用セス但母カ子ノ出生前ニ復籍ヲ為シタルトキハ此限ニ在ラス
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