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民法第739条

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』

法学民事法コンメンタール民法第4編 親族 (コンメンタール民法)

条文

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婚姻の届出)

第739条
  1. 婚姻は、戸籍法(昭和22年法律第224号)の定めるところにより届け出ることによって、その効力を生ずる。
  2. 前項の届出は、当事者双方及び成年の証人2人以上が署名した書面で、又はこれらの者から口頭で、しなければならない。

解説

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婚姻の成立について規定している。戦後の民法改正においても、明治民法と同趣旨の規定(旧・民法第775条)が受け継がれている。
日本国では形式婚主義を採用していて、婚姻を成立させるには戸籍法所定の要件を満たした届け出をしなければいけない。
戸籍法第25条以下に届け出に関し、具体的に手続きが定められている。本条第2項は口頭の届出を認めるが、戸籍法第28条によれば「やむを得ない事情」があるときしか口頭での届出は認められない。

本条を準用する制度

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参照条文

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判例

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  1. 婚姻無効確認請求(最高裁判決昭和44年4月3日)民法第742条、(民法第3条の2
    婚姻の届書が受理された当時本人が意識を失つていた場合と婚姻の届出の効力
    事実上の夫婦共同生活関係にある者が、婚姻意思を有し、その意思に基づいて婚姻の届書を作成したときは、届書の受理された当時意識を失つていたとしても、その受理前に翻意したなど特段の事情のないかぎり、右届書の受理により婚姻は有効に成立する。
    • 本件婚姻届がE(夫婦の一方)の意思に基づいて作成され、同人がその作成当時婚姻意思を有していて、同人と上告人との間に事実上の夫婦共同生活関係が存続していたとすれば、その届書が当該係官に受理されるまでの間に同人が完全に昏睡状態に陥り、意識を失つたとしても、届書受理前に死亡した場合と異なり、届出書受理以前に翻意するなど婚姻の意思を失う特段の事情のないかぎり、右届書の受理によつて、本件婚姻は、有効に成立したものと解すべきである。

なお、婚姻届受理後に当該受理を争う例は少ないが、準用する協議離婚や養子縁組・離縁について受理後の届出の効果に関する判例は散見される。民法第764条#判例民法第799条#判例を参照。

参考

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明治民法において、本条には以下の規定があった。趣旨は、戸籍法第19条に継承された(効果は異なる)。

婚姻又ハ養子縁組ニ因リテ他家ニ入リタル者ハ離婚又ハ離縁ノ場合ニ於テ実家ニ復籍ス

前条:
民法第738条
(成年被後見人の婚姻)
民法
第4編 親族

第2章 婚姻

第1節 婚姻の成立
次条:
民法第740条
(婚姻の届出の受理)


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