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労働者災害補償保険法第7条

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』

条文

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【保険給付の対象】

第7条
  1. この法律による保険給付は、次に掲げる保険給付とする。
    1. 労働者の業務上の負傷、疾病、障害又は死亡(以下「業務災害」という。)に関する保険給付
    2. 複数事業労働者(これに類する者として厚生労働省令で定めるものを含む。以下同じ。)の二以上の事業の業務を要因とする負傷、疾病、障害又は死亡(以下「複数業務要因災害」という。)に関する保険給付(前号に掲げるものを除く。以下同じ。)
    3. 労働者の通勤による負傷、疾病、障害又は死亡(以下「通勤災害」という。)に関する保険給付
    4. 二次健康診断等給付
  2. 前項第3号の通勤とは、労働者が、就業に関し、次に掲げる移動を、合理的な経路及び方法により行うことをいい、業務の性質を有するものを除くものとする。
    1. 住居と就業の場所との間の往復
    2. 厚生労働省令で定める就業の場所から他の就業の場所への移動
    3. 第1号に掲げる往復に先行し、又は後続する住居間の移動(厚生労働省令で定める要件に該当するものに限る。)
  3. 労働者が、前項各号に掲げる移動の経路を逸脱し、又は同項各号に掲げる移動を中断した場合においては、当該逸脱又は中断の間及びその後の同項各号に掲げる移動は、第1項第3号の通勤としない。ただし、当該逸脱又は中断が、日常生活上必要な行為であつて厚生労働省令で定めるものをやむを得ない事由により行うための最小限度のものである場合は、当該逸脱又は中断の間を除き、この限りでない。

改正経緯

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以下のとおり改正。

  1. 第1項第2号を追加。それに伴い、旧第2号及び第3号を各々第3号及び第4号へ号数を繰下げ。
  2. 第2項及び第3項で指し示す第1項の号数が旧第2項から第3項へ改正。

解説

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参照条文

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判例

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  1. 労災保険不支給処分取消(最高裁判決 平成5年02月16日) 労働者災害補償保険法第3条労働者災害補償保険法第12条の8第1項,労働者災害補償保険法12条の8第2項,労働者災害補償保険法附則第57条2項,労働基準法附則第129条行政事件訴訟法第3条1項,行政事件訴訟法第33条1項,行政事件訴訟法33条2項
    1. 労働者災害補償保険法施行前に従事した業務に起因して同法施行後に生じた疾病と同法12条の8に基づく保険給付
      労働者災害補償保険法施行後に生じた疾病は、同法施行前の業務に起因するものであっても、同法12条の8所定の保険給付の対象となる。
    2. 労働者災害補償保険法に基づく保険給付の不支給決定を疾病の業務起因性の有無についての認定・判断を留保した上で取り消すことができる場合
      被災者の疾病が労働者災害補償保険法に基づく保険給付の対象となり得ないとの理由で、その業務起因性の有無について判断することなくされた右給付の不支給決定の取消訴訟において、当該疾病が右給付の対象となり得るものと解すべき場合には、右業務起因性の有無についての認定、判断を留保した上、右決定を取り消すことができる。
  2. 療養補償給付等不支給処分取消(最高裁判決 平成8年11月28日) 労働基準法第9条
    車の持込み運転手が労働基準法及び労働者災害補償保険法上の労働者に当たらないとされた事例
    自己の所有するトラックを持ち込んで特定の会社の製品の運送業務に従事していた運転手が、自己の危険と計算の下に右業務に従事していた上、右会社は、運送という業務の性質上当然に必要とされる運送物品、運送先及び納入時刻の指示をしていた以外には、右運転手の業務の遂行に関し特段の指揮監督を行っておらず、時間的、場所的な拘束の程度も、一般の従業員と比較してはるかに緩やかであったなど判示の事実関係の下においては、右運転手が、専属的に右会社の製品の運送業務に携わっており、同社の運送係の指示を拒否することはできず、毎日の始業時刻及び終業時刻は、右運送係の指示内容のいかんによって事実上決定され、その報酬は、トラック協会が定める運賃表による運送料よりも一割五分低い額とされていたなどの事情を考慮しても、右運転手は、労働基準法及び労働者災害補償保険法上の労働者に当たらない。
  3. 遺族補償給付等不支給処分取消(最高裁判決 平成9年04月25日)労働者災害補償保険法(平成7年法律第35号による改正前のもの)12条の8第l項,労働者災害補償保険法(平成7年法律第35号による改正前のもの)12条の8第2項,労働基準法第79条労働基準法第80条
    業務に従事中に付近に重量物が落下して顔面を負傷するという事故に遭った日の二日後に非外傷性の脳血管疾患を発症した配電工の死亡が労働者災害補償保険法にいう業務上の死亡に当たるとされた事例
    配電工が、業務に従事中に、クレーンのワイヤーが切れ、ワイヤー、フック、電柱等の重量物が地上約3メートルの高さから付近に落下し、顔面に軽度の負傷をするという事故に遭った日の二日後に、非外傷性の脳血管疾患を発症し、その翌日に死亡した場合において、右配電工は、右発症の基礎となり得る素因又は疾患を有していたことは否定し難いが、死亡当時39歳で、健康状態に格別異常はないとみられていたところ、右事故後頭痛や食欲不振の自覚症状がありながら、厳冬期に、地上約10メートルの電柱上で電気供給工事等の作業に従事していたなど判示の事実関係の下においては、右配電工の死亡は、労働者災害補償保険法にいう業務上の死亡に当たる。

前条:
労働者災害補償保険法第6条
【保険関係の成立及び消滅】
労働者災害補償保険法
第3章 保険給付
第1節 通則
次条:
労働者災害補償保険法第8条
【給付基礎日額】
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