コンテンツにスキップ

行政事件訴訟法第3条

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』

法学コンメンタール行政事件訴訟法

条文

[編集]

(抗告訴訟)

第3条
  1. この法律において「抗告訴訟」とは、行政庁の公権力の行使に関する不服の訴訟をいう。
  2. この法律において「処分の取消しの訴え」とは、行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為(次項に規定する裁決、決定その他の行為を除く。以下単に「処分」という。)の取消しを求める訴訟をいう。
  3. この法律において「裁決の取消しの訴え」とは、審査請求その他の不服申立て(以下単に「審査請求」という。)に対する行政庁の裁決、決定その他の行為(以下単に「裁決」という。)の取消しを求める訴訟をいう。
  4. この法律において「無効等確認の訴え」とは、処分若しくは裁決の存否又はその効力の有無の確認を求める訴訟をいう。
  5. この法律において「不作為の違法確認の訴え」とは、行政庁が法令に基づく申請に対し、相当の期間内に何らかの処分又は裁決をすべきであるにかかわらず、これをしないことについての違法の確認を求める訴訟をいう。
  6. この法律において「義務付けの訴え」とは、次に掲げる場合において、行政庁がその処分又は裁決をすべき旨を命ずることを求める訴訟をいう。
    1. 行政庁が一定の処分をすべきであるにかかわらずこれがされないとき(次号に掲げる場合を除く。)。
    2. 行政庁に対し一定の処分又は裁決を求める旨の法令に基づく申請又は審査請求がされた場合において、当該行政庁がその処分又は裁決をすべきであるにかかわらずこれがされないとき。
  7. この法律において「差止めの訴え」とは、行政庁が一定の処分又は裁決をすべきでないにかかわらずこれがされようとしている場合において、行政庁がその処分又は裁決をしてはならない旨を命ずることを求める訴訟をいう。

改正経緯

[編集]

2014年改正(行政不服審査法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(平成26年法律第69号))により、以下のとおり改正。

(改正前)審査請求、異議申立てその他の不服申立て
(改正後)審査請求その他の不服申立て

解説

[編集]
Wikipedia
Wikipedia
ウィキペディア抗告訴訟の記事があります。

参照条文

[編集]

判例

[編集]
  1. 区画整理事業設計等無効確認請求(最高裁判決 昭和41年02月23日) 土地区画整理法第66条土地区画整理法第6条行政事件訴訟特例法第1条
    土地区画整理事業計画の決定と抗告訴訟の対象
    土地区画整理事業計画の決定は、その公告がなされた段階においても、抗告訴訟の対象とならないものと解すべきである。
    • 事業計画そのものとしては、特定個人に向けられた具体的な処分ではなく、いわば当該土地区画整理事業の青写真たるにすぎない一般的・抽象的な単なる計画にとどまるものであつて、土地区画整理事業の進展に伴い、やがては利害関係者の権利に直接変動を与える具体的な処分が行なわれることがあるとか、また、計画の決定ないし公告がなされたままで、相当の期間放置されることがあるとしても、右事業計画の決定ないし公告の段階で、その取消又は無効確認を求める訴えの提起を許さなければ、利害関係者の権利保護に欠けるところがあるとはいい難く、そのような訴えは、抗告訴訟を中心とするわが国の行政訴訟制度のもとにおいては、争訟の成熟性ないし具体的事件性を欠くものといわなければならない。
  2. 不作為の違法確認等請求(最高裁判決 昭和47年11月16日)私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律第45条1項
    私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律45条1項に基づく措置要求を不問に付する旨の公正取引委員会の決定と抗告訴訟
    私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律45条1項に基づく措置要求を不問に付する旨の公正取引委員会の決定は、抗告訴訟の対象となる行政処分にあたらない。
    • 独占禁止法45条1項は、「何人も……事実を報告し、適当な措置をとるべきことを求めることができる。」と規定しており、その文言、および、同法の目的が、一般消費者の利益を確保し、国民経済の民主的で健全な発達を促進することにあり(同法第1条)、報告者が当然には審判手続に関与しうる地位を認められていないこと(同法第59条参照)から考えれば、同法45条1項は、被上告人公正取引委員会の審査手続開始の職権発動を促す端緒に関する規定であるにとどまり、報告者に対して、公正取引委員会に適当な措置をとることを要求する具体的請求権を付与したものであるとは解されない。また、独占禁止法の定める審判制度は、もともと公益保護の立場から同法違反の状態を是正することを主眼とするものであつて、違反行為による被害者の個人的利益の救済をはかることを目的とするものではなく、同法第25条が特殊の損害賠償責任を定め、同法第26条において右損害賠償の請求権は所定の審決が確定した後でなければ裁判上これを主張することができないと規定しているのは、これによつて個々の被害者の受けた損害の填補を容易ならしめることにより、審判において命ぜられる排除措置と相俟つて同法違反の行為に対する抑止的効果を挙げようとする目的に出た附随的制度に過ぎず、違法行為によつて自己の法的権利を害された者がその救済を求める手段としては、その行為が民法上の不法行為に該当するかぎり、審決の有無にかかわらず、別に損害賠償の請求をすることができるのであるから、独占禁止法第25条にいう被害者に該当するからといつて、審決を求める特段の権利・利益を保障されたものと解することはできない。これを要するに、被上告人は、独占禁止法第45条1項に基づく報告、措置要求に対して応答義務を負うものではなく、また、これを不問に付したからといつて、被害者の具体的権利・利益を侵害するものとはいえないのである。したがつて、上告人がした報告、措置要求についての不問に付する決定は取消訴訟の対象となる行政処分に該当せず、その不存在確認を求める訴えを不適法とした原審の判断は、正当である。
  3. 盛岡広域都市計画用途地域指定無効確認(最高裁判決 昭和57年04月22日) 都市計画法第8条1項1号
    都市計画法8条1項1号の規定に基づく工業地域指定の決定と抗告訴訟の対象
    都市計画法8条1項1号の規定に基づく工業地域指定の決定は、抗告訴訟の対象とならない。
    • 都市計画区域内において工業地域を指定する決定は、都市計画法8条1項1号に基づき都市計画決定の一つとしてされるものであり、右決定が告示されて効力を生ずると、当該地域内においては、建築物の用途、容積率、建ぺい率等につき従前と異なる基準が適用され(建築基準法48条7項52条1項3号53条1項2号等)、これらの基準に適合しない建築物については、建築確認を受けることができず、ひいてその建築等をすることができないこととなるから(同法6条4項、5項)、右決定が、当該地域内の土地所有者等に建築基準法上新たな制約を課し、その限度で一定の法状態の変動を生ぜしめるものであることは否定できないが、かかる効果は、あたかも新たに右のような制約を課する法令が制定された場合におけると同様の当該地域内の不特定多数の者に対する一般的抽象的なそれにすぎず、このような効果を生ずるということだけから直ちに右地域内の個人に対する具体的な権利侵害を伴う処分があつたものとして、これに対する抗告訴訟を肯定することはできない。
    • 右のような法状態の変動に伴い将来における土地の利用計画が事実上制約されたり、地価や土地環境に影響が生ずる等の事態の発生も予想されるが、これらの事由は未だ右の結論を左右するに足りるものではない。
    • 右地域内の土地上に現実に前記のような建築の制限を超える建物の建築をしようとしてそれが妨げられている者が存する場合には、その者は現実に自己の土地利用上の権利を侵害されているということができるが、この場合右の者は右建築の実現を阻止する行政庁の具体的処分をとらえ、前記の地域指定が違法であることを主張して右処分の取消を求めることにより権利救済の目的を達する途が残されていると解されるから、前記のような解釈をとつても格別の不都合は生じないというべきである。
  4. 採用内定取消処分取消等(最高裁判決 昭和57年05月27日)地方公務員法第17条1項
    地方公務員としての採用内定の取消しが抗告訴訟の対象となる処分にあたらないとされた事例
    地方公務員である職員としての採用内定の通知がされた場合において、職員の採用は内規によつて辞令を交付することにより行うこととされ、右採用内定の通知は法令上の根拠に基づくものではないなど、判示の事実関係があるときは、右採用内定の通知は事実上の行為にすぎず、右内定の取消しは、抗告訴訟の対象となる処分にあたらない。
    • 本件採用内定の通知は、単に採用発令の手続を支障なく行うための準備手続としてされる事実上の行為にすぎず、被上告人東京都と上告人との間で、上告人を東京都職員(地方公務員)として採用し、東京都職員としての地位を取得させることを目的とする確定的な意思表示ないしは始期付又は条件付採用行為と目すべきものではなく、したがつて、右採用内定通知によつては、上告人が、直ちに又は昭和46年4月一日から被上告人東京都の職員たる地位を取得するものではなく、また、被上告人東京都知事において上告人を職員として採用すべき法律上の義務を負うものでもないと解するのが相当である。
    • 被上告人東京都において正当な理由がなく右採用内定を取り消しても、これによつて、右内定通知を信頼し、東京都職員として採用されることを期待して他の就職の機会を放棄するなど、東京都に就職するための準備を行つた者に対し損害賠償の責任を負うことがあるのは格別、右採用内定の取消し自体は、採用内定を受けた者の法律上の地位ないし権利関係に影響を及ぼすものではないから、行政事件訴訟法3条2項にいう「行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為」に該当するものということができず、右採用内定者においてその取消しを訴求することはできないというべきである。
  5. 労災保険不支給処分取消(最高裁判決 平成5年02月16日) 労働者災害補償保険法第3条労働者災害補償保険法第7条1項1号,労働者災害補償保険法第12条の8第1項,労働者災害補償保険法12条の8第2項,労働者災害補償保険法附則第57条2項,労働基準法附則第129条行政事件訴訟法第33条1項,行政事件訴訟法33条2項
    1. 労働者災害補償保険法施行前に従事した業務に起因して同法施行後に生じた疾病と同法12条の8に基づく保険給付
      労働者災害補償保険法施行後に生じた疾病は、同法施行前の業務に起因するものであっても、同法12条の8所定の保険給付の対象となる。
    2. 労働者災害補償保険法に基づく保険給付の不支給決定を疾病の業務起因性の有無についての認定・判断を留保した上で取り消すことができる場合
      被災者の疾病が労働者災害補償保険法に基づく保険給付の対象となり得ないとの理由で、その業務起因性の有無について判断することなくされた右給付の不支給決定の取消訴訟において、当該疾病が右給付の対象となり得るものと解すべき場合には、右業務起因性の有無についての認定、判断を留保した上、右決定を取り消すことができる。
2項
  1. 法律解釈指定通達取消請求(最高裁判決 昭和43年12月24日)墓地、埋葬等に関する法律第13条,墓地、埋葬等に関する法律第21条
    通達の取消の訴が許されないとされた事例
    昭和35年3月8日付衛環発第8号都道府県等衛生主管部局長あて厚生省公衆衛生局環境衛生部長通知は、宗教団体の経営する墓地の管理者は埋葬等を請求する者が他の宗教団体の信者であることのみを理由としてその請求を拒むことはできないからこの趣旨にそつて事務処理をすべき旨を求めた行政組織内部における命令にすぎず、従来の法律の解釈、事務の取扱を変更するものではあるが、墓地の管理者らにあらたに埋葬の受忍義務を課する等これらの者の権利義務に直接具体的な法律上の影響を及ぼすものではなく、墓地の経営者からその取消を求める訴を提起することは許されない。
    • 本件通達は従来とられていた法律の解釈や取扱いを変更するものではあるが、それはもつぱら知事以下の行政機関を拘束するにとどまるもので、これらの機関は右通達に反する行為をすることはできないにしても、国民は直接これに拘束されることはなく、従つて、右通達が直接に上告人の所論墓地経営権、管理権を侵害したり、新たに埋葬の受忍義務を課したりするものとはいいえない。
    • 本件通達が発せられたからといつて直ちに上告人において刑罰を科せられるおそれがあるともいえず、さらにまた、原審において上告人の主張するような損害、不利益は、原判示のように、直接本件通達によつて被つたものということもできない。
    • 現行法上行政訴訟において取消の訴の対象となりうるものは、国民の権利義務、法律上の地位に直接具体的に法律上の影響を及ぼすような行政処分等でなければならないのであるから、本件通達中所論の趣旨部分の取消を求める本件訴は許されないものとして却下すべきものである。
  2. 行政処分取消(最高裁判決 昭和57年07月15日)道路交通法第127条1項
    道路交通法127条1項の規定に基づく反則金の納付の通告と抗告訴訟
    道路交通法127条1項の規定に基づく反則金の納付の通告は、抗告訴訟の対象とならない。
    • 道路交通法は、通告を受けた者が、その自由意思により、通告に係る反則金を納付し、これによる事案の終結の途を選んだときは、もはや当該通告の理由となつた反則行為の不成立等を主張して通告自体の適否を争い、これに対する抗告訴訟によつてその効果の覆滅を図ることはこれを許さず、右のような主張をしようとするのであれば、反則金を納付せず、後に公訴が提起されたときにこれによつて開始された刑事手続の中でこれを争い、これについて裁判所の審判を求める途を選ぶべきであるとしているものと解するのが相当である。もしそうでなく、右のような抗告訴訟が許されるものとすると、本来刑事手続における審判対象として予定されている事項を行政訴訟手続で審判することとなり、また、刑事手続と行政訴訟手続との関係について複雑困難な問題を生ずるのであつて、同法がこのような結果を予想し、これを容認しているものとは到底考えられない。
  3. 大阪都市計画事業等事業計画決定取消(最高裁判決 平成4年11月26日)都市再開発法第51条,都市再開発法第54条1項
    都市再開発法に基づく第二種市街地再開発事業の事業計画の決定と抗告訴訟の対象
    都市再開発法51条1項、54条1項に基づき地方公共団体により定められ公告された第二種市街地再開発事業の事業計画の決定は、抗告訴訟の対象となる行政処分に当たる。
    • 再開発事業計画の決定は、その公告の日から、土地収用法上の事業の認定と同一の法律効果を生ずるものであるから(都市再開発法第26条4項)、市町村は、右決定の公告により、同法に基づく収用権限を取得するとともに、その結果として、施行地区内の土地の所有者等は、特段の事情のない限り、自己の所有地等が収用されるべき地位に立たされることとなる。しかも、この場合、都市再開発法上、施行地区内の宅地の所有者等は、契約又は収用により施行者(市町村)に取得される当該宅地等につき、公告があった日から起算して30日以内に、その対償の払渡しを受けることとするか又はこれに代えて建築施設の部分の譲受け希望の申出をするかの選択を余儀なくされるのである(都市再開発法第118条の2第1項1号)。そうであるとすると、公告された再開発事業計画の決定は、施行地区内の土地の所有者等の法的地位に直接的な影響を及ぼすものであって、抗告訴訟の対象となる行政処分に当たると解するのが相当である。
  4. 勧告取消等請求事件(最高裁判決 平成17年07月15日)医療法(平成9年法律第125号による改正前のもの)30条の7、健康保険法(平成10年法律第109号による改正前のもの)43条ノ3第2項
    医療法30条の7の規定に基づき都道府県知事が病院を開設しようとする者に対して行う病院開設中止の勧告と抗告訴訟の対象
    医療法30条の7の規定に基づき都道府県知事が病院を開設しようとする者に対して行う病院開設中止の勧告は,抗告訴訟の対象となる行政処分に当たる。
    • 原審の判断
      上告人が本件勧告に従わなかったとしても,それにより必然的に保険医療機関の指定が拒否されるわけではないから,本件勧告は,行政事件訴訟法3条2項の「行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為」に当たらない。
    • 最高裁判断
      医療法及び健康保険法の規定の内容やその運用の実情に照らすと,医療法30条の7の規定に基づく病院開設中止の勧告は,医療法上は当該勧告を受けた者が任意にこれに従うことを期待してされる行政指導として定められているけれども,当該勧告を受けた者に対し,これに従わない場合には,相当程度の確実さをもって,病院を開設しても保険医療機関の指定を受けることができなくなるという結果をもたらすものということができる。そして,いわゆる国民皆保険制度が採用されている我が国においては,健康保険,国民健康保険等を利用しないで病院で受診する者はほとんどなく,保険医療機関の指定を受けずに診療行為を行う病院がほとんど存在しないことは公知の事実であるから,保険医療機関の指定を受けることができない場合には,実際上病院の開設自体を断念せざるを得ないことになる。このような医療法30条の7の規定に基づく病院開設中止の勧告の保険医療機関の指定に及ぼす効果及び病院経営における保険医療機関の指定の持つ意義を併せ考えると,この勧告は,行政事件訴訟法3条2項にいう「行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為」に当たると解するのが相当である。
  5. 勧告取消等請求事件(最高裁判決 平成17年10月25日) 医療法(平成12年法律第141号による改正前のもの)30条の7,健康保険法(平成11年法律第87号による改正前のもの)43条ノ3第4項2号
    医療法30条の7の規定に基づき都道府県知事が病院を開設しようとする者に対して行う病床数削減の勧告と抗告訴訟の対象
    医療法30条の7の規定に基づき都道府県知事が病院を開設しようとする者に対して行う勧告で,開設申請に係る病床数の病院が開設されると医療計画によって定まっている当該区域における必要病床数を超えることを理由として当該病院の病床数を削減することを求めるものは,抗告訴訟の対象となる行政処分に当たる。
    • 医療法30条の7の規定に基づく勧告で開設申請に係る病院の病床数の削減を内容とするものは,医療法上は当該勧告を受けた者が任意にこれに従うことを期待してされる行政指導として定められてはいるけれども,当該勧告を受けた者に対し,これに従わない場合には,相当程度の確実さをもって,病院を開設しても削減を勧告された病床を除いてしか保険医療機関の指定を受けることができなくなるという結果をもたらすものというべきである。そして,いわゆる国民皆保険制度が採用されている我が国においては,健康保険,国民健康保険等を利用しないで病院を受診する者はほとんどなく,保険医療機関の指定を受けずに診療行為を行う病院がほとんど存在しないことは公知の事実であるから,削減を勧告された病床を除いてしか保険医療機関の指定を受けることができない場合には,実際上当該病床を設けることができない不利益を受けることになる。
4項
  1. 原野売渡処分無効確認請求(最高裁判決 昭和42年04月07日)行政事件訴訟法第30条,民訴法225条,行政事件訴訟特例法第1条
    裁量処分の無効確認訴訟における無効事由の主張・立証責任
    行政庁の裁量に任された行政処分の無効確認を求める訴訟においては、その無効確認を求める者において、行政庁が右行政処分をするにあたつてした裁量権の行使がその範囲をこえまたは濫用にわたり、しかも、当該瑕疵が重大かつ明白であることを主張および立証することを要する。
  2. 所得税賦課処分無効確認等請求(最高裁判決 昭和48年04月26日)旧所得税法第9条1項8号
    1. 課税処分が当然無効と解される場合
      課税処分に課税要件の根幹に関する内容上の過誤が存し、徴税行政の安定とその円滑な運営の要請を斟酌してもなお、不服申立期間の徒過による不可争的効果の発生を理由として被課税者に右処分による不利益を甘受させることが著しく不当と認められるような例外的事情のある場合には、当該処分は、当然無効と解するのが相当である。
    2. 課税処分が特段の事情のないかぎり当然無効と解すべきであるとされた事例
      甲が、その所有土地につき、ほしいままに、乙に対する所有権移転登記を経由したうえ、同人名義で丙に売却した等判示のような事情のある場合においては、乙が事後において明示または黙示的にこれを容認した等の特段の事情のないかぎり、乙に譲渡所得があるとしてなされた課税処分は、当然無効と解すべきである。
  3. 不作為違法確認(最高裁判決 昭和57年07月15日)消防法第11条1項
    消防法11条1項の規定に基づく給油取扱所変更許可処分が行政処分として有効に成立していないとされた事例
    給油業者がした消防法11条1項の規定に基づく給油取扱所変更許可申請につき、その元売業者らに対し許可書の写しが交付された場合において、それが同人らの懇請に応じ当該年度の給油取扱所の変更の枠を確保させることを目的として主務官庁に対する関係であたかも許可処分があつたかのような状況を作出するためにされたものにすぎず、申請人に対する許可処分そのものは隣接住民の同意書の提出をまつて許可書の原本を交付することによつて行うこととされ、右元売業者らもこれを了承していたなど判示の事実関係があるときは、申請人に薄する許可処分の外部的意思表示がされたものとみることはできず、右許可処分は、行政処分として有効に成立したものとはいえない。

関連項目

[編集]

前条:
第2条
(行政事件訴訟)
行政事件訴訟法
第1章 総則
次条:
第4条
(当事者訴訟)
このページ「行政事件訴訟法第3条」は、まだ書きかけです。加筆・訂正など、協力いただける皆様の編集を心からお待ちしております。また、ご意見などがありましたら、お気軽にトークページへどうぞ。