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民事執行法第27条

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』

法学コンメンタール民事訴訟法コンメンタール民事執行法

条文

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第27条  
  1. 請求が債権者の証明すべき事実の到来に係る場合においては、執行文は、債権者がその事実の到来したことを証する文書又は電磁的記録を提出したときに限り、付与することができる。
  2. 債務名義に表示された当事者以外の者を債権者又は債務者とする執行文は、その者に対し、又はその者のために強制執行をすることができることが裁判所書記官若しくは公証人に明白であるとき、又は債権者がそのことを証する文書若しくは電磁的記録を提出したときに限り、付与することができる。
  3. 執行文は、債務名義について次に掲げる事由のいずれかがあり、かつ、当該債務名義に基づく不動産の引渡し又は明渡しの強制執行をする前に当該不動産を占有する者を特定することを困難とする特別の事情がある場合において、債権者がこれらを証する文書又は電磁的記録を提出したときに限り、債務者を特定しないで、付与することができる。
    1. 債務名義が不動産の引渡し又は明渡しの請求権を表示したものであり、これを本案とする占有移転禁止の仮処分命令(民事保全法 (平成元年法律第91号)第25条の2第1項 に規定する占有移転禁止の仮処分命令をいう。)が執行され、かつ、同法第62条第1項 の規定により当該不動産を占有する者に対して当該債務名義に基づく引渡し又は明渡しの強制執行をすることができるものであること。
    2. 債務名義が強制競売の手続(担保権の実行としての競売の手続を含む。以下この号において同じ。)における第83条第1項本文(第188条において準用する場合を含む。)の規定による命令(以下「引渡命令」という。)であり、当該強制競売の手続において当該引渡命令の引渡義務者に対し次のイからハまでのいずれかの保全処分及び公示保全処分(第55条第1項に規定する公示保全処分をいう。以下この項において同じ。)が執行され、かつ、第83条の2第1項(第187条第5項又は第188条において準用する場合を含む。)の規定により当該不動産を占有する者に対して当該引渡命令に基づく引渡しの強制執行をすることができるものであること。
      イ 第55条第1項第3号(第188条において準用する場合を含む。)に掲げる保全処分及び公示保全処分
      ロ 第77条第1項第3号(第188条において準用する場合を含む。)に掲げる保全処分及び公示保全処分
      ハ 第187条第1項に規定する保全処分又は公示保全処分(第55条第1項第3号に掲げるものに限る。)
  4. 前項の執行文の付された債務名義の正本に基づく強制執行は、当該執行文の付与の日から四週間を経過する前であつて、当該強制執行において不動産の占有を解く際にその占有者を特定することができる場合に限り、することができる。
  5. 第3項の規定により付与された執行文については、前項の規定により当該執行文の付された債務名義の正本に基づく強制執行がされたときは、当該強制執行によつて当該不動産の占有を解かれた者が、債務者となる。

改正経緯

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2023年改正により、第1項から第3項における文言を以下のとおり改正。

(改正前)証する文書
(改正後)証する文書又は(若しくは)電磁的記録

解説

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  • 民事保全法 (平成元年法律第91号)第25条の2(債務者を特定しないで発する占有移転禁止の仮処分命令)
  • 同法第62条(占有移転禁止の仮処分命令の効力)
  • 第83条(引渡命令)
  • 第188条(不動産執行の規定の準用)
  • 第55条(売却のための保全処分等)
  • 第83条の2(占有移転禁止の保全処分等の効力)
  • 第187条(担保不動産競売の開始決定前の保全処分等)
  • 第77条(最高価買受申出人又は買受人のための保全処分等)

参照条文

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前条:
民事執行法第26条
(執行文の付与)
民事執行法
第2章 強制執行
第1節 総則
次条:
民事執行法第28条
(執行文の再度付与等)
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