民法第744条
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法学>民事法>民法>コンメンタール民法>第4編 親族 (コンメンタール民法)
条文
[編集](不適法な婚姻の取消し)
- 第744条
- 第731条から第736条までの規定に違反した婚姻は、各当事者、その親族又は検察官から、その取消しを家庭裁判所に請求することができる。ただし、検察官は、当事者の一方が死亡した後は、これを請求することができない。
- 第732条の規定に違反した婚姻については、前婚の配偶者も、その取消しを請求することができる。
改正経緯
[編集]2022年改正により第733条が廃止削除されたことにより、第2項を以下の条項から改正。
解説
[編集]第731条から第736条までに規定する婚姻障害のある婚姻の取消しの手続きについて定める。本条は旧・民法第780条を継承。
婚姻の取消しは、家庭裁判所に対する訴訟のみによる(形成訴訟)。
取消請求権者は以下のとおり。
- 婚姻の当事者
- 当事者の親族
- 検察官
- ただし、当事者の一方が死亡した場合、取消請求権を失う。反対解釈をすると、検察官以外は、当事者の一方が死亡した場合でも婚姻の取消しを請求することができる。しかしながら、婚姻の取消しは遡及効がないため、実効性については疑問。
- 重婚の場合の当事者の配偶者、
再婚禁止期間の婚姻における前配偶者
参照条文
[編集]- 民法第731条(婚姻適齢)
- 民法第732条(重婚の禁止)
民法第733条(再婚禁止期間)- 民法第734条(近親者間の婚姻の禁止)
- 民法第735条(直系姻族間の婚姻の禁止)
- 民法第736条(養親子等の間の婚姻の禁止)
参考文献
[編集]- 泉久雄『親族法』85頁(有斐閣、1997年)
判例
[編集]- 婚姻取消 (最高裁判決 昭和57年09月28日)民法第732条、民法第749条
- 重婚における後婚の離婚による解消と後婚の取消の訴えの許否
- 重婚において、後婚が離婚によつて解消された場合には、特段の事情のない限り、後婚の取消を請求することは許されない。
参考
[編集]明治民法において、本条には以下の規定があった。
- 法定ノ推定家督相続人ハ他家ニ入リ又ハ一家ヲ創立スルコトヲ得ス但本家相続ノ必要アルトキハ此限ニ在ラス
- 前項ノ規定ハ第七百五十条第二項ノ適用ヲ妨ケス
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