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楽典

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』

楽譜の読み書きに必要な理論や知識をまとめた教科書です。

音の長さに関わる事項

音楽に使う音は、壊れたブザーのように、四六時中鳴り続けるようなものではありません。いずれかの時点で鳴り始め、いずれかの時点で鳴り終わります。 この「時点」というのは、曲の始まりからどれくらい時間が経ったか、なのですが、現在の楽譜では、音を順に並べてゆくことでそれを示すようになっています。ですから、それぞれの音の長さを示せば、ある音をどの時点からどの時点までならすべきかがわかるのです。

音楽では、音の長さは、で表されるわけではありません。で表します。

楽譜では、それぞれの音が拍の何倍か、また、何分の1かを、音符の形で表します。これから詳しく見ていきましょう。

音の高さに関わる事項

しゃべり声と歌声の違いは何でしょうか? 一番の違いは、しゃべり声は明確な音の高さがわからないけれど、歌声はわかる、ということではないでしょうか。 音楽に使う音には、明確な音の高さがわからない音と、わかる音の2種類があります。前者を噪音(騒音ではありません)、後者を楽音といいます。

前者に含まれるのは、バスドラムスネアドラムシンバルなど、多くの打楽器の音です。

後者に含まれるのは、ティンパニ鉄琴木琴系の楽器、弦楽器管楽器その他の楽器です。歌声も楽音です。

さて、音の高さがわかるなら、それを音楽に利用しない手はありません。これから、音の高さについて探っていきましょう。

楽譜は五線音部記号音符休符変化記号小節線などが書かれて、最初の体裁を整えます。しかし、それだけで演奏のために必要な情報を網羅しているとは言えません。

そこで、様々な記号や文字を使って、演奏のためのいろいろな情報を音符に付け加えます。これを演奏記号といいます。

演奏記号は、その表すものの種類によって、強弱記号、速度記号、発想記号などに分類できます。

通常、演奏記号が文字で書かれる場合には、イタリア語で書かれます。イタリア語以外のことばを使うのが普通になっている用語もいくらかあります。また、作曲家によって、ドイツ語フランス語英語で書かれることがあります。

ここに挙げられるものは楽譜を読み、また書くのに必須のものです。なるべく覚えるようにしましょう。

参考文献

  • 石桁真礼生,新装版 楽典 理論と実習,音楽之友社,2020(新版第50刷)