民法第903条
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法学>民事法>民法>コンメンタール民法>第5編 相続 (コンメンタール民法)
条文[編集]
(特別受益者の相続分)
- 第903条
- 共同相続人中に、被相続人から、遺贈を受け、又は婚姻若しくは養子縁組のため若しくは生計の資本として贈与を受けた者があるときは、被相続人が相続開始の時において有した財産の価額にその贈与の価額を加えたものを相続財産とみなし、前三条の規定により算定した相続分の中からその遺贈又は贈与の価額を控除した残額をもってその者の相続分とする。
- 遺贈又は贈与の価額が、相続分の価額に等しく、又はこれを超えるときは、受遺者又は受贈者は、その相続分を受けることができない。
- 被相続人が前二項の規定と異なった意思を表示したときは、その意思表示は、遺留分に関する規定に違反しない範囲内で、その効力を有する。
解説[編集]
共同相続人のうちに、被相続人から生前に贈与を受けている者があるときは、その価額を加えたものを相続財産とみなす。贈与を受けた共同相続人は、法定相続分(または遺言で定められた相続分)から贈与の額を控除する。これは、共同相続人間の公平を図るための制度である。
- 1項
- 特別受益にあたるのは「婚姻若しくは養子縁組のため若しくは生計の資本として」受けた贈与であるとされる。子でいえば、親元で育てられている間の受益は特別受益とはみなされないが、独立して生計を営むようになった以後の贈与は特別受益であると考えられている。
- 3項
- 持戻免除等の規定である。
参照条文[編集]
判例[編集]
- 遺留分減殺請求(最高裁判例 昭和51年03月18日)民法第904条、民法第1029条、民法第1044条
- 相続人が被相続人から贈与された金銭をいわゆる特別受益として遺留分算定の基礎となる財産の価額に加える場合には、贈与の時の金額を相続開始の時の貨幣価値に換算した価額をもつて評価すべきである。
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