コンテンツにスキップ

民法第1042条

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』
遺留分 から転送)

法学民事法コンメンタール民法第5編 相続 (コンメンタール民法)

条文

[編集]

遺留分の帰属及びその割合)

第1042条
  1. 兄弟姉妹以外の相続人は、遺留分として、次条第1項に規定する遺留分を算定するための財産の価額に、次の各号に掲げる区分に応じてそれぞれ当該各号に定める割合を乗じた額を受ける。
    1.  直系尊属のみが相続人である場合 3分の1
    2.  前号に掲げる場合以外の場合 2分の1
  2. 相続人が数人ある場合には、前項各号に定める割合は、これらに第900条及び第901条の規定により算定したその各自の相続分を乗じた割合とする。

改正経緯

[編集]
2018年改正により、第1028条(←明治民法第1131条)に規定されていた以下の条項を継承。
(遺留分の帰属及びその割合)
兄弟姉妹以外の相続人は、遺留分として、次の各号に掲げる区分に応じてそれぞれ当該各号に定める割合に相当する額を受ける。
  1. 直系尊属のみが相続人である場合 被相続人の財産の三分の一
  2. 前号に掲げる場合以外の場合 被相続人の財産の二分の一
本条に定められていた以下の条項は、第1048条に継承された。
(減殺請求権の期間の制限)
減殺の請求権は、遺留分権利者が、相続の開始及び減殺すべき贈与又は遺贈があったことを知った時から一年間行使しないときは、時効によって消滅する。相続開始の時から十年を経過したときも、同様とする。

解説

[編集]
被相続人が遺贈または生前贈与を行っていても、本条に定める法定相続人は相続財産のうちで一定の相続分を自己のために確保することができる。これを遺留分という。
遺留分を有する法定相続人は配偶者、子(またはその代襲相続人)、直系尊属である。兄弟姉妹が含まれないことには注意を要する。
遺留分を害された相続人は、遺留分侵害額の請求(1046条 旧・遺留分減殺請求)を行うことによって遺留分に属する相続財産に相当する金銭債権を請求できる。

参照条文

[編集]

判例

[編集]

参考

[編集]
  1. 明治民法において、本条には財産分離の効果に関する以下の規定があった。趣旨は、民法第942条に継承された。
    財産分離ノ請求ヲ為シタル者及ヒ前条第二項ノ規定ニ依リテ配当加入ノ申出ヲ為シタル者ハ相続財産ニ付キ相続人ノ債権者ニ先チテ弁済ヲ受ク
  2. 明治民法第1131条
    1. 遺産相続人タル直系卑属ハ遺留分トシテ被相続人ノ財産ノ半額ヲ受ク
    2. 遺産相続人タル配偶者又ハ直系尊属ハ遺留分トシテ被相続人ノ財産ノ三分ノ一ヲ受ク

前条:
民法第1041条
(使用貸借等の規定の準用)
民法
第5編 相続
第8章 遺留分
次条:
民法第1043条
(遺留分を算定するための財産の価額)
このページ「民法第1042条」は、まだ書きかけです。加筆・訂正など、協力いただける皆様の編集を心からお待ちしております。また、ご意見などがありましたら、お気軽にトークページへどうぞ。