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持分会社

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持分会社法制総説

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会社法に規定される会社には、持分会社と株式会社がある。持分会社とは、合名会社・合資会社・合同会社の総称である(575条1項)。

株式会社と対比されるとき、持分会社には次のような特徴が認められる。

  • 所有と経営の一致
    持分会社の社員は原則として業務執行権限を有する(590条1項)。所有と経営の分離を原則とする株式会社とは対照的である。
  • 退社の自由
    持分会社の社員は、任意に退社することができる(606条1項)。一方、持分の譲渡は厳しく制限されている(585条1項。他の社員全員の同意が必要)。これは、持分会社が社員相互の信頼関係に立脚して運営されることを前提としているため、誰が社員であるかは他の社員にとって重要な利害事項になるからである。これに対し、株式会社では原則として社員の退社(株主の出資の払戻し)は認められないかわり、持分(株式)の譲渡は自由である(127条)。
  • 意思決定
    持分会社の意思決定は、原則として総社員の同意で行う(たとえば定款の変更。637条)。この点、株主総会の多数決(309条)によって意思決定が行われる株式会社とは対照的である。

持分会社の種類

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合名会社

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合名会社は、無限責任社員のみからなる持分会社である。

合資会社

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合資会社は、無限責任社員と有限責任社員からなる持分会社である。

合同会社

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合同会社は、有限責任社員のみからなる持分会社である。

形態の相互の関係

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  • 持分会社は、定款を変更し社員の責任形態を変えることにより、他の種類の会社となる(638条)。なお、株式会社が持分会社になること、または、持分会社が株式会社になることを組織変更という(2条26号)。
    1. 合名会社に有限責任社員を入社させると合資会社となる。
    2. 合同会社に無限責任社員を入社させると合資会社となる。
  • 定款の変更がなくても、合資会社の有限責任社員が退社したことにより当該合資会社の社員が無限責任社員のみとなった場合には、当該合資会社は、合名会社となる定款の変更をしたものとみなされる(639条1項)。同様に、合資会社の無限責任社員が退社したことにより当該合資会社の社員が有限責任社員のみとなった場合には、当該合資会社は、合同会社となる定款の変更をしたものとみなされる(639条2項)。

設立

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持分会社は、その本店の所在地において設立の登記をすることによって成立する(579条)。

社員

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社員は、自然人であるか法人であるかを問われない。
業務執行を行う社員においても、自然人であるか法人であるかを問われない。
  1. 自然人である場合、行為能力は問われない。
    1. 未成年者である場合、行為能力者とみなされる(584条)。
    2. 成年被後見人・被保佐人の場合も、2019年改正における331条の改正趣旨を類推解釈すれば、当然に認められうる。
  2. 法人である場合、社員である法人は職務執行者を選定しこれに当たらせる(598条)。

無限責任社員

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無限責任社員とは、会社の債務に関して連帯して無限の責任を負う社員をいう(580条1項)。無限責任社員には、出資の目的として金銭のほか、現物や労務・信用の供与による出資も認められている。

有限責任社員

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有限責任社員とは、会社の債務に関して、出資額を限度として責任を負う社員をいう(580条2項)。会社財産の充実のため、有限会社の出資の目的は金銭等でなければならない(576条1項6号)。

管理

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社員の加入および退社

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計算

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