日本国憲法第33条
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条文
[編集]【逮捕の要件】
- 第33条
- 何人も、現行犯として逮捕される場合を除いては、権限を有する司法官憲が発し、且つ理由となつてゐる犯罪を明示する令状によらなければ、逮捕されない。
解説
[編集]参照条文
[編集]- 刑事訴訟法第199条(逮捕状による逮捕)
- 刑事訴訟法第200条(逮捕状の方式)
- 刑事訴訟法第201条(逮捕状の呈示)
- 刑事訴訟法第202条(検察官・司法警察員への引致)
- 刑事訴訟法第203条(司法警察員の逮捕手続、検察官送致の時間の制限)
- 刑事訴訟法第210条(緊急逮捕)
- 刑事訴訟法第211条(通常逮捕の規定の準用)
- 刑事訴訟法第212条(現行犯人・準現行犯人)
- 刑事訴訟法第213条(現行犯逮捕)
- 刑事訴訟法第214条(私人による現行犯逮捕)
判例
[編集]- 森林法違反、公務執行妨害、傷害(最高裁判決昭和30年12月14日)刑事訴訟法第210条
- 刑訴第210条の緊急逮捕の規定は合憲か
- 刑訴第210条の緊急逮捕の規定は憲法第33条に違反しない。
- 刑訴210条は、死刑又は無期若しくは長期3年以上の懲役若しくは禁錮にあたる罪を犯したことを疑うに足る充分な理由がある場合で、且つ急速を要し、裁判官の逮捕状を求めることができないときは、その理由を告げて被疑者を逮捕することができるとし、そしてこの場合捜査官憲は直ちに裁判官の逮捕状を求める手続を為し、若し逮捕状が発せられないときは直ちに被疑者を釈放すべきことを定めている。かような厳格な制約の下に、罪状の重い一定の犯罪のみについて、緊急已むを得ない場合に限り、逮捕後直ちに裁判官の審査を受けて逮捕状の発行を求めることを条件とし、被疑者の逮捕を認めることは、憲法33条規定の趣旨に反するものではない。
- 強盗強姦、強盗殺人、死体遺棄、恐喝未遂、窃盗、森林窃盗、傷害、暴行、横領害(狭山事件 最高裁判決昭和52年8月9日)刑事訴訟法第60条1項,刑事訴訟法第198条1項/2項,刑事訴訟法第199条
- 甲事実について逮捕勾留中の被疑者を乙事実について取調べることが違法ではないとされた事例
- 甲事実について逮捕・勾留の理由と必要があり、甲事実と乙事実とが社会的事実として一連の密接な関連がある場合、甲事実について逮捕・勾留中の被疑者を、同事実について取調べるとともに、これに付随して乙事実について取調べても、違法とはいえない。
- 第一次逮捕・勾留は、その基礎となつた被疑事実について逮捕・勾留の理由と必要性があつたことは明らかである。そして、「別件」中の恐喝未遂と「本件」とは社会的事実として一連の密接な関連があり、「別件」の捜査として事件当時の被告人の行動状況について被告人を取調べることは、他面においては「本件」の捜査ともなるのであるから、第一次逮捕・勾留中に「別件」のみならず「本件」についても被告人を取調べているとしても、それは、専ら「本件」のためにする取調というべきではなく、「別件」について当然しなければならない取調をしたものにほかならない。それ故、第一次逮捕・勾留は、専ら、いまだ証拠の揃つていない「本件」について被告人を取調べる目的で、証拠の揃つている「別件」の逮捕・勾留に名を借り、その身柄の拘束を利用して、「本件」について逮捕・勾留して取調べるのと同様な効果を得ることをねらいとしたものである、とすることはできない。
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