民法第763条
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法学>民事法>民法>コンメンタール民法>第4編 親族 (コンメンタール民法)
条文
[編集](協議上の離婚)
- 第763条
- 夫婦は、その協議で、離婚をすることができる。
解説
[編集]- 日本の民法には離婚の方式として以下のものが定められている。
- 協議離婚(本条)
- 調停離婚(家事事件手続法第244条、同法第268条 調停前置主義;同法第257条)
- 審判離婚(家事事件手続法第284条・第285条・第286条・第287条)
- 裁判離婚(民法第770条)
- 本条においては、協議離婚について定める。
- 協議離婚の成立要件は、夫婦双方の離婚の合意を届け出ることのみである(離婚成立の形式的要件:民法第765条)。明治民法においては、第808条において、同旨に規定されていた。比較法的に、最も簡便な離婚成立要件とされ、離婚に際しての子の親権者の所在を除いて(民法第819条)、財産分割・財産分与や親権を有さない親による養育費の支払いなどについて合意していることも要件となっていないため、しばしば、離婚後の争いとなる。
- 離婚成立の実質的要件である離婚意思の解釈については争いがある。下記判例を参照。
関連条文
[編集]判例
[編集]- 離婚届出無効確認請求(最高裁判決 昭和34年08月07日)民法第742条、民法第764条、民法第802条
- 合意により協議離婚届書を作成した一方の当事者が、届出を相手方に委託した後、協議離婚を飜意し、右飜意を市役所戸籍係員に表示しており、相手方によつて届出がなされた当時、離婚の意思を有しないことが明確であるときは、相手方に対する飜意の表示または届出委託の解除の事実がなくとも、協議離婚届出が無効でないとはいえない。
- 離婚無効確認請求(最高裁判決 昭和38年11月28日)民法第764条、民法第739条
- 妻を戸主とする入夫婚姻をした夫婦が、事実上の婚姻関係は維持しつつ、単に、夫に戸主の地位を与えるための方便として、協議離婚の届出をした場合でも、両名が真に法律上の婚姻関係を解消する意思の合致に基づいてこれをしたものであるときは、右協議離婚は無効とはいえない。
参考
[編集]明治憲法において、本条には以下の規定があったが、家制度廃止に伴い削除。
- 戸主カ適法ニ廃家シテ他家ニ入リタルトキハ其家族モ亦其家ニ入ル
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