民法第887条
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法学>民事法>民法>コンメンタール民法>第5編 相続 (コンメンタール民法)
条文
[編集](子及びその代襲者等の相続権)
- 第887条
- 被相続人の子は、相続人となる。
- 被相続人の子が、相続の開始以前に死亡したとき、又は第891条の規定に該当し、若しくは廃除によって、その相続権を失ったときは、その者の子がこれを代襲して相続人となる。ただし、被相続人の直系卑属でない者は、この限りでない。
- 前項の規定は、代襲者が、相続の開始以前に死亡し、又は第891条の規定に該当し、若しくは廃除によって、その代襲相続権を失った場合について準用する。
解説
[編集]- 相続人のうち、被相続人の直系卑属にあたる相続人についての規定(明治民法第994条及び第995条由来)。相続開始前に、本来相続人であるべき者が欠けたときは、代襲相続が問題になる。
- 代襲相続原因に相続放棄は含まれない。相続放棄した者は939条により初めから相続人とならなかったものとみなされ、2項にいう相続権を失ったときには該当しないからである。
- 第2項但書
- 被相続人の子が相続開始以前に死亡した場合等について、被相続人の子の子のうち被相続人の直系卑属でない者は被相続人の子を代襲して相続人となることができない旨を規定している。これは、被相続人の子が被相続人の養子である場合、養子縁組前から当該子の子である者(いわゆる養子縁組前の養子の子)は、被相続人との間に当該養子縁組による血族関係を生じないこと(民法第727条、大審院昭和6年(オ)第2939号同7年5月11日判決・ 民集11巻11号1062頁参照)から、養子を代襲して相続人となることができないことを明らかにしたものである。
参照条文
[編集]参考
[編集]明治民法において、本条には母親が親権者であるときの親権の制限に関する以下の規定があったが、親権行使に父母の差異がなくなったため継承なく廃止された。
- 親権ヲ行フ母カ前条ノ規定ニ違反シテ為シ又ハ同意ヲ与ヘタル行為ハ子又ハ其法定代理人ニ於テ之ヲ取消スコトヲ得此場合ニ於テハ第十九条(現行民法第20条)ノ規定ヲ準用ス
- 前項ノ規定ハ第百二十一条乃至第百二十六条(【第4節 無効及び取消し】)ノ適用ヲ妨ケス
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