刑法第38条

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』
ナビゲーションに移動 検索に移動

条文[編集]

(故意)

第38条
  1. 罪を犯す意思がない行為は、罰しない。ただし、法律に特別の規定がある場合は、この限りでない。
  2. 重い罪に当たるべき行為をしたのに、行為の時にその重い罪に当たることとなる事実を知らなかった者は、その重い罪によって処断することはできない。
  3. 法律を知らなかったとしても、そのことによって、罪を犯す意思がなかったとすることはできない。ただし、情状により、その刑を減軽することができる。

解説[編集]

本条は、故意について定めた規定である。故意がない場合には原則として処罰されない(1項本文)が、但書により、法律に特別の規定がある場合(過失の処罰規定が置かれている場合。過失犯も参照)には、故意がなくとも処罰される。また2項、3項については、違法性の意識錯誤等も参照。

故意の内容などについては故意論過失違法性の意識なども参照。

沿革[編集]

旧刑法(ボアソナード刑法)第77条

第1項 罪ヲ犯ス意ナキノ所為ハ其罪ヲ論セス但法律規則ニ於テ別ニ罪ヲ定メタル者ハ此限ニ在ラス
第2項 罪ト為ル可キ事実ヲ知ラスシテ犯シタル者ハ其罪ヲ論セス
第3項 罪本重カル可クシテ犯ス時知ラサル者ハ其重キニ従テ論スルコトヲ得ス
(参考)
  • 其本應重而犯時不知者依凡論(『唐律』-『唐律疏議』より)
  • 其本応重。而犯堕不知者。依凡論。(『養老律』)
第4項 法律規則ヲ知ラサルヲ以テ犯スノ意ナシト為スコトヲ得ス

前条:
刑法第37条
(緊急避難)
刑法
第1編 総則
第7章 犯罪の不成立及び刑の減免
次条:
刑法第39条
(心神喪失及び心神耗弱)


このページ「刑法第38条」は、まだ書きかけです。加筆・訂正など、協力いただける皆様の編集を心からお待ちしております。また、ご意見などがありましたら、お気軽にトークページへどうぞ。