ガリア戦記 第3巻

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ガリア戦記

 C IVLII CAESARIS COMMENTARIORVM BELLI GALLICI 

 LIBER TERTIVS 

ガリア戦記 第3巻の情勢図(BC56年)。
黄色の領域がローマ領。桃色が同盟部族領。
ガリア戦記 第3巻 目次

アルプス・オクトードゥールスの戦い:
大西洋岸ウェネティ族の反乱:

大西洋岸ウネッリ族の反乱:
クラッススのアクィタニア遠征:

モリニ族・メナピイ族への遠征:

01節 | 02節 | 03節 | 04節 | 05節 | 06節
07節 | 08節 | 09節 | 10節
11節 | 12節 | 13節 | 14節 | 15節 | 16節
17節 | 18節 | 19節
20節
21節 | 22節 | 23節 | 24節 | 25節 | 26節 | 27節
28節 | 29節



はじめに[編集]

前巻(ガリア戦記 第2巻)の終わりで述べられたように、カエサルによってガッリアはほぼ平定されたと思われて、首都ローマで感謝祭が催されたほどであった。このため、本巻(第3巻)ではカエサル自身の遠征として記す内容はとても少ない。

本巻の#1節#6節で言及される#アルプス・オクトードゥールスの戦いは、BC57年秋頃に起こったと考えられるので、本来なら第2巻に含められるべきであるが、そうなると第3巻が20節ほどの非常に短い巻になってしまうので、第3巻の冒頭に置いたとも考えられる。

本巻(第3巻)の年(BC56年)の春には、ガッリア遠征の遂行上きわめて重要なルカ会談があったので、以下に補足する。

コラム「ルカ会談」[編集]

Luca Conference(英語記事)などを参照。
伝記作家プルータルコスによれば[1]、カエサルはベルガエ人との戦いを成し遂げると、前年に続いてパドゥス川Padus ポー川〕流域で越冬しながら、ローマ政界への政治工作を続けた。例えば、カエサルを後援者とする選挙の立候補者たちが有権者を買収するための金銭をばらまいていた。ガッリア人捕虜を奴隷商人に売り払って得た莫大な金銭で。その結果、カエサルの金銭で当選した者たちの尽力で、属州総督カエサルへの新たな資金の支給が可決されるという具合であった。

そのうち、多くの名門貴族たちがカエサルに面会するためにルカLuca)の街へやって来た。
こうした中、BC56年の4月に、カエサルと非公式の盟約(三頭政治)を結んでいたクラッススポンペイウスもルカを訪れて、三者による会談が行われた。

首都ローマでは、三頭政治を後ろ盾とする平民派クロディウスPublius Clodius Pulcher)が民衆に暴動をけしかけ、門閥派のミロ(Titus Annius Milo)と激しく抗争するなど、騒然としていた。このクロディウスの暴力的な手法は、クラッススとポンペイウスの関係を傷つけた。また、カエサルのガッリアでの輝かしい勝利に、二人とも不満を感じていた。このように三頭政治は綻び出していたのだ。

三人は三頭政治を延長することで合意した。カエサルは、クラッススとポンペイウスが翌年(BC55年)の執政官に立候補すること、3属州の総督であるカエサルの任期がさらに5年間延長されること、などを求めた。

会談の結果、任期が大幅に延長されたカエサルの野望は、ガッリアに止まらず、ゲルマーニアブリタンニアの征服へと向かっていく。一方、再び執政官になった二人は、パルティアを攻略するためにクラッススがシリア総督になることを決めるが、これはクラッススの命運とともに三頭政治の瓦解、カエサルとポンペイウスの関係悪化を招来することになる。

後に三頭政治Triumviratus)と呼ばれることになる非公式な盟約を結んでいた、左からカエサルクラッススポンペイウス
3人は、第3巻の戦いが始まる前に、ルカ会談で三頭政治の延長を決めた。

アルプス・オクトードゥールスの戦い[編集]

Battle of Octodurus(英語記事)Bataille d'Octodure(仏語記事)などを参照。

1節[編集]

現在のスイスの帝制ローマ時代の地図。左下の三日月形のレマン湖の下方に、ALLOBROGES, NANTUATES, VERAGRI, SEDUNI の部族名が見える。
現在のグラン・サン・ベルナール峠。ラテン語では Porta Magni Sancti Bernardi という。
スイスを縦断する欧州自動車道路 E27レマン湖からこの峠を通ってイタリアのアオスタへ至る。

ガルバとローマ第12軍団が、ロダヌス川渓谷のオクトードゥールスにて冬営する

   カエサルが、ガルバと軍団・騎兵をアルプス地方へ派兵
  • Cum in Italiam proficisceretur Caesar,
  • Servium Galbam cum legione duodecima(XII.) et parte equitatus
  • in Nantuates, Veragros Sedunosque misit,
    • ナントゥアーテース族・ウェラーグリー族・セドゥーニー族(の領土)に派遣した。
  • qui a finibus Allobrogum et lacu Lemanno et flumine Rhodano ad summas Alpes pertinent.
  • Causa mittendi fuit,
    • 派遣の理由は(以下のこと)であった:
  • quod iter per Alpes,
    • アルプスを通る道は、
  • quo magno cum periculo magnisque cum portoriis mercatores ire consuerant,
    • 大きな危険と多額の関税を伴って商人たちが旅することが常であったので、
  • patefieri volebat.
  • Huic permisit, si opus esse arbitraretur, uti in his locis legionem hiemandi causa conlocaret.
    • 彼〔ガルバ〕に、もし必要と思われるならば、この地に軍団を冬営するために宿営させることを許可した。
セルウィウス・スルピキウス・ガルバの横顔が刻まれた貨幣。ガルバはBC54年ガリア戦記 第5巻の年)に法務官に任官。内戦期もカエサルに従うが、暗殺計画に参画する。
ネロ帝とともにユリウス家の王朝が途絶えると、ガルバの曽孫が四皇帝の一人目のガルバ帝となった。このためスエートーニウス『ローマ皇帝伝』の「ガルバ伝」にガルバへの言及がある[2]


   ガルバが、諸部族を攻略して、軍団の冬営を決める
  • Galba, secundis aliquot proeliis factis
    • ガルバは、いくつかの優勢な戦いをして、
  • castellisque compluribus eorum expugnatis,
    • 彼ら〔ガッリア諸部族〕の多くの砦が攻略されると、
  • missis ad eum undique legatis
    • 彼〔ガルバ〕のもとへ四方八方から(諸部族の)使節たちが遣わされ、
  • obsidibusque datis et pace facta,
    • 人質が供出されて、講和がなされたので、
  • constituit
    • (ガルバは、以下のことを)決めた。
  • cohortes duas in Nantuatibus conlocare
    • 2個歩兵大隊コホルスをナントゥアーテース族(の領土)に宿営させること、
  • et ipse cum reliquis eius legionis cohortibus
    • (ガルバ)自身はその軍団の残りの歩兵大隊コホルスとともに、
  • in vico Veragrorum, qui appellatur Octodurus, hiemare;
    • オクトードゥールスと呼ばれているウェラーグリー族の村に冬営することを。
      (訳注:オクトードゥールス(Octodurus)は現在のマルティニー市。)


   ウェラーグリー族のオクトードゥールス村
  • qui vicus positus in valle, non magna adiecta planitie,
    • その村は、さほど大きくない平地に付随した渓谷の中に位置し、
  • altissimis montibus undique continetur.
    • とても高い山々で四方八方を囲まれている。
  • Cum hic in duas partes flumine divideretur,
    • これ〔村〕は川によって二つの部分に分け隔てられているので、
      (訳注:現在のマルティニーの街中を、ローヌ川の支流であるドランス川(Drance)が貫流している。)
  • alteram partem eius vici Gallis [ad hiemandum] concessit,
    • その村の一方の部分をガッリア人に [越冬するために] 譲った。
  • alteram vacuam ab his relictam cohortibus attribuit.
    • もう一方の彼ら〔ガッリア人〕により空にされた方を、残りの歩兵大隊コホルスに割り当てた。
  • Eum locum vallo fossaque munivit.
    • その地を堡塁と塹壕で守りを固めた。
かつてウェラーグリー族のオクトードゥールス村(Octodurus)があった所は、現在ではスイスマルティニーMartigny)市となっている。ローヌ川が屈曲して流れる渓谷地帯にある。

コラム「ガルバの派遣とカティリーナ事件」[編集]

関連記事:Catilinae coniuratio, Second Catilinarian conspiracy
 セルウィウス・スルピキウス・ガルバにアルプス派兵を指揮させた理由について、カエサルは記していない。

 BC63年BC62年に、ローマの高官だったルーキウス・セルギウス・カティリーナLucius Sergius Catilina)がクーデタを企てるという大事件があった。キケローが『カティリナ弾劾演説』で糾弾し、カエサルが事件の黒幕ではないかと取り沙汰された(スエートニウス[3])。
 BC63年の法務官ガーイウス・ポンプティーヌスがキケローを助けて事件を捜査し、アッロブロゲース族からカティリーナへ宛てた手紙を調べた。BC62年にポンプティーヌスは前法務官としてガッリア総督となり、事件に関与していたアッロブロゲース族を平定した。このとき、副官としてポンプティーヌスを助けてアッロブロゲース族を攻めたのがガルバであった。総督がカエサルに替わっても、ガルバは副官として留任し、アッロブロゲース族の近隣部族の鎮定に努めていたわけである。
 ポンプティーヌスは、一部の元老院議員の反対で、戦勝将軍の権利である凱旋式ができなかった。これを不満に思っていたガルバは、BC54年に法務官になると尽力して、その年にポンプティーヌスの凱旋式を行なうことに成功した。
カティリーナの誓いLe Serment de Catiline
ジョゼフ=マリー・ヴィアン画(1809年)。
カティリーナと共謀者たちは、人間の血を混ぜたワインを飲んで誓いを立てる儀式を行なったと伝えられている。
カティリーナの遺骸の発見
Il ritrovamento del corpo di Catilina
Alcide Segoni 画(1871年)
アッロブロゲース族のいるガッリアへ向かおうとしていたカティリーナは、ピストリアPistoria)の戦い(Battle of Pistoia)で戦死した。

2節[編集]

ガッリア人が再び挙兵して周囲の高峰を押さえ、第12軍団の冬営地を包囲

  • Cum dies hibernorum complures transissent frumentumque eo comportari iussisset,
    • 冬営の多くの日々が過ぎ去って、穀物がそこに運び集められることを(ガルバが)命じていたときに、
  • subito per exploratores certior factus est
    • 突然に(以下のことが)偵察隊により報告された。
  • ex ea parte vici, quam Gallis concesserat, omnes noctu discessisse
    • ガッリア人たちに譲っていた村の一部から、皆が夜に立ち退いており、
  • montesque, qui impenderent, a maxima multitudine Sedunorum et Veragrorum teneri.
    • そそり立つ山々がセドゥーニー族とウェラーグリー族のかなりの大勢により占拠されたのだ。
      (訳注:ウェラーグリー族は既述のようにオクトードゥールス村 Octodurus〔現在のマルティニー市〕を、
      セドゥーニー族 Seduni はより上流のセドゥヌム Sedunum〔現在のシオン市〕を首邑としていた。)
  • Id aliquot de causis acciderat,
    • いくつかの理由から、起こっていたことには、
  • ut subito Galli belli renovandi legionisque opprimendae consilium caperent:
    • 突如としてガッリア人が、戦争を再開して(ローマ人の)軍団を急襲する作戦計画を立てたのだ。


    第1の理由:ガルバの第12軍団は、兵が割かれていて寡勢である
  • primum, quod legionem neque eam plenissimam detractis cohortibus duabus
    • というのも、第一に、総員がそろっていない軍団を ──2個歩兵大隊コホルスが引き抜かれていて、
      (訳注:前節で既述のように、2個歩兵大隊をナントゥアーテース族のところに宿営させていたが、これはレマンヌス湖〔レマン湖〕に近いより下流の地域で、離れていたようだ。)
  • et compluribus singillatim, qui commeatus petendi causa missi erant, absentibus,
    • 多くの者たちが一人ずつ、糧食を求めるために派遣されていて不在である、──
  • propter paucitatem despiciebant;
    • (その第12軍団を)少数であるゆえに、見下していたからだ。


    第2の理由:渓谷にいるローマ人は、山から攻め降りて来るガッリア人の飛道具を受け止められまい
  • tum etiam, quod propter iniquitatem loci,
    • それからさらに(ローマ勢が冬営している渓谷の)地の利の無さゆえ、
  • cum ipsi ex montibus in vallem decurrerent et tela conicerent,
    • (ガッリア勢)自身が山々から谷間に駆け下りて飛道具を投じたときに、
  • ne primum quidem impetum suum posse sustineri existimabant.
    • 自分たちの最初の襲撃を(ローマ勢が)持ちこたえることができない、と判断していたので。


    第3の理由:人質を取られて、属州に併合される前にローマ人を討て
  • Accedebat, quod suos ab se liberos abstractos obsidum nomine dolebant,
    • 加えて、人質の名目で自分たちから引き離されている自分の子供たちのことを嘆き悲しんでいたので、
  • et Romanos non solum itinerum causa, sed etiam perpetuae possessionis
    • かつ、ローマ人たちは道(の開通)のためだけでなく、永続的な領有のためにさえも
  • culmina Alpium occupare conari
    • アルプスの頂上を占領すること、
  • et ea loca finitimae provinciae adiungere
    • および(ローマの)属州に隣接する当地を併合することを企てている
  • sibi persuasum habebant.
    • と(ガッリア人たちは)確信していたのである。

3節[編集]

ガルバが軍議を召集し、策を募る

  • His nuntiis acceptis Galba,
    • ガルバは、これらの報告を受け取ると、
  • cum neque opus hibernorum munitionesque plene essent perfectae
    • 冬営の普請や防塁構築も十分に完成していなかったし、
  • neque de frumento reliquoque commeatu satis esset provisum,
    • 穀物や他の糧秣も十分に調達されていなかったので
  • quod deditione facta obsidibusque acceptis
    • ── というのも、降伏がなされて、人質が受け取られ、
  • nihil de bello timendum existimaverat,
    • 戦争について恐れるべきことは何もない、と判断していたためであるが、──
  • consilio celeriter convocato sententias exquirere coepit.
    • 軍議を速やかに召集して、意見を求め始めた。


軍議
  • Quo in consilio,
    • その軍議において、
  • cum tantum repentini periculi praeter opinionem accidisset
    • これほどの不意の危険が、予想に反して起こっていたので、
  • ac iam omnia fere superiora loca multitudine armatorum completa conspicerentur
    • かつ、すでにほぼすべてのより高い場所が、武装した大勢の者たちで満たされていることが、見られていたので、
  • neque subsidio veniri
    • 救援のために(援軍が)来られることもなかったし、
  • neque commeatus supportari interclusis itineribus possent,
    • 糧秣が運び込まれることも、道が遮断されているので、できなかったので
  • prope iam desperata salute non nullae eius modi sententiae dicebantur,
    • すでにほぼ身の安全に絶望していた幾人かの者たちの以下のような意見が述べられていた。
  • ut impedimentis relictis eruptione facta
    • 輜重を残して、出撃して、
  • isdem itineribus quibus eo pervenissent ad salutem contenderent.
    • そこへやって来たのと同じ道によって、安全なところへ急ぐように、と。
      (訳注:レマンヌス〔レマン湖〕湖畔を通ってアッロブロゲース族領へ撤収することであろう。)
  • Maiori tamen parti placuit,
    • しかしながら、大部分の者が賛成したのは、
  • hoc reservato ad extremum consilio
    • この考え(計画)を最後まで保持しておいて、
  • interim rei eventum experiri et castra defendere.
    • その間に、事の結果を吟味して、陣営を守備すること、であった。

4節[編集]

ガッリア勢の急襲

  • Brevi spatio interiecto,
    • 短い時間が介在しただけで、
  • vix ut iis rebus quas constituissent conlocandis atque administrandis tempus daretur,
    • 決定していた事を配置したり策を講ずるべき時が、ほとんど与えられないほどであった。
  • hostes ex omnibus partibus signo dato decurrere, lapides gaesaque in vallum conicere.
    • 敵〔ガッリア勢〕があらゆる方面から、号令が出されて、駆け下りて、石や投槍を堡塁の中に投げ込んだ。
  • Nostri primo integris viribus fortiter propugnare
    • 我が方〔ローマ勢〕は、はじめに力が損なわれていないうちは勇敢に応戦して、
  • neque ullum frustra telum ex loco superiore mittere,
    • 何の無駄もなく飛道具をより高い所から投げた。
  • et quaecumque pars castrorum nudata defensoribus premi videbatur,
    • 陣営のどの部分も防戦者が取り除かれて圧倒されたと思われていたので、
  • eo occurrere et auxilium ferre,
    • (ローマ兵が)そこへ駆け寄って支援した。
  • sed hoc superari
    • しかし、以下のことにより、(ローマ軍は)打ち負かされた。
  • quod diuturnitate pugnae hostes defessi proelio excedebant,
    • ──というのは、戦いが長引いて、敵方は疲弊して、戦いから離脱し、
  • alii integris viribus succedebant;
    • 他の力を損なわれていない者たちが交代したのだ。
  • quarum rerum a nostris propter paucitatem fieri nihil poterat,
    • このような事〔兵の交代〕は、我が方〔ローマ勢〕は少数であるゆえに何らできなかった。
  • ac non modo defesso ex pugna excedendi,
    • 疲労した者に戦いから離脱すること(の機会が与えられなかった)のみならず、
  • sed ne saucio quidem eius loci ubi constiterat relinquendi ac sui recipiendi facultas dabatur.
    • 傷付けられた者にさえ、配属の場所を立ち去ることや(体力を)回復することの機会も与えられなかったのだ。

5節[編集]

ガルバ、最後の土壇場

  • Cum iam amplius horis sex continenter pugnaretur,
    • すでに6時間より多く引き続いて戦われていたので、
(訳注:古代ローマは不定時法なので、冬の日中の半日ほどである)
  • ac non solum vires sed etiam tela nostros deficerent,
    • 活力だけでなく飛び道具も我が方には不足していた。
  • atque hostes acrius instarent languidioribusque nostris
    • 敵はより激しく攻め立てて、我が方は弱り切って、
  • vallum scindere et fossas complere coepissent,
    • (敵は)防柵を破り裂いて、かなりの堀を埋め始めて、
  • resque esset iam ad extremum perducta casum,
    • 事態はすでに末期症状を生じていた。
  • P. Sextius Baculus, primi pili centurio,
    • プブリウス・セクスティウス・バクルスは首位百人隊長プリームス・ピールスであり、
  • quem Nervico proelio compluribus confectum vulneribus diximus,
  • et item C. Volusenus, tribunus militum, vir et consilii magni et virtutis,
  • ad Galbam accurrunt atque unam esse spem salutis docent,
    • ガルバのところへ来て、身の安全の希望は一つであると説いた。
  • si eruptione facta extremum auxilium experirentur.
    • 突撃して最後の手段を試みるように、と。
  • Itaque convocatis centurionibus celeriter milites certiores facit,
    • そこで、百人隊長たちが招集され、速やかに兵士たちに通達された。
  • paulisper intermitterent proelium
    • しばらく戦いを中断して
  • ac tantum modo tela missa exciperent seque ex labore reficerent,
    • ただ投げられた飛び道具を遮るだけとし、疲労から(活力を)回復するようにと、
  • post dato signo ex castris erumperent, atque omnem spem salutis in virtute ponerent.
    • 与えられた合図の後に陣営から突撃するように、身の安全のすべての希望を武勇に賭けるようにと。

6節[編集]

戦いの帰趨

  • Quod iussi sunt faciunt,
    • (ローマ兵たちは)命じられたことをなして、
  • ac subito omnibus portis eruptione facta
    • 突然に(陣営の)すべての門より突撃がなされて、
  • neque cognoscendi quid fieret neque sui colligendi hostibus facultatem relinquunt.
    • 何が起こったかを認識することも(兵力を)集中することも、敵にその機会を残さなかった。
  • Ita commutata fortuna
    • こうして運命が変わって
  • eos qui in spem potiundorum castrorum venerant undique circumventos intercipiunt,
    • (ローマ)陣営を占領することを期待して来た者たちは、至る所で包囲されて殺戮された。
  • et ex hominum milibus amplius XXX{triginta},
    • 3万より多い人間が
  • quem numerum barbarorum ad castra venisse constabat,
    • それだけの数の蛮族が(ローマ)陣営のところへ来ていたのは、確実であったが、
  • plus tertia parte interfecta reliquos perterritos in fugam coiciunt
    • 3分の1より多く(の者)が殺されて、残りの者たちは脅かされて逃走に追いやられて、
  • ac ne in locis quidem superioribus consistere patiuntur.
    • より高い場所にさえ留まることを許されなかった。
  • Sic omnibus hostium copiis fusis armisque exutis
    • そのように敵の全軍勢が打ち負かされて、武器が奪われて、
  • se intra munitiones suas recipiunt.
    • (ローマ軍は)自分たちの防壁の内部に退却した。
  • Quo proelio facto, quod saepius fortunam temptare Galba nolebat
    • この戦いが成し遂げられ、よりたびたび運命を試すことをガルバは欲しなかったし、
  • atque alio se in hiberna consilio venisse meminerat, aliis occurrisse rebus videbat,
    • 冬営に他の計画のために来ていたことを思い出したが、別の事に遭遇したのを見て、
  • maxime frumenti commeatusque inopia permotus
    • なかでも穀物や糧食の欠乏に揺り動かされ、
  • postero die omnibus eius vici aedificiis incensis
    • 翌日にその村のすべての建物が焼かれて、
  • in provinciam reverti contendit,
  • ac nullo hoste prohibente aut iter demorante
    • 敵の誰も妨害せず、あるいは道中が妨げられずに、
  • incolumem legionem in Nantuates,
    • 軍団を無傷(な状態)でナントゥアーテース族(の領土)に(連れて行き)、
  • inde in Allobroges perduxit ibique hiemavit.
    • そこからアッロブロゲース族(の領土)に連れて行き、そこで冬営した。

大西洋岸ウェネティ族の反乱[編集]

7節[編集]

新たな戦争の勃発

  • His rebus gestis
    • これらの事が行なわれて、
  • cum omnibus de causis Caesar pacatam Galliam existimaret,
    • あらゆる理由についてカエサルが、ガリアは平定された、と考えたときに、
  • superatis Belgis, expulsis Germanis, victis in Alpibus Sedunis,
  • atque ita inita hieme in Illyricum profectus esset,
  • quod eas quoque nationes adire et regiones cognoscere volebat,
    • というのは、これらそれぞれの部族を訪れて諸地方を知ることを欲したからであるが、
  • subitum bellum in Gallia cortum est.
    • 突然の戦争がガリアで勃発したのである。

8節[編集]

ウェネティ族らの動き

  • Huius est civitatis longe amplissima auctoritas omnis orae maritimae regionum earum,
    • この部族(ウェネティ族)は、これら全海岸地域でずばぬけて大きな権威があった。
  • quod et naves habent Veneti plurimas,
    • というのは、ウェネティ族は、最も多くの船を持っていて、
  • quibus in Britanniam navigare consuerunt,
  • et scientia atque usu rerum nauticarum ceteros antecedunt
    • かつ海事の知識と経験において他(の部族)にすぐれており、
  • et in magno impetu maris atque aperto {Oceano} paucis portibus interiectis,
    • かつ海の大きな荒々しさと開けた大洋の中に、わずかの港が間にあって、
  • quos tenent ipsi, omnes fere qui eo mari uti consuerunt,
    • 彼ら自身がそれらの港を保持し、ほぼすべての者がその海を利用するのが常であり、
  • habent vectigales.
    • 租税を納めるものとして所有していたのである。
  • Ab his fit initium
    • 彼らによって(戦争の)始まりが行なわれた。
  • retinendi Sillii atque Velanii, et si quos intercipere
  • quod per eos suos se obsides, quos Crasso dedissent, recuperaturos existimabant.
    • 彼ら(2人)によって、クラッススに差し出されていた自分たちの人質を回復できると考えたのである。
  • Horum auctoritate finitimi adducti,
    • 彼ら(ウェネティ族)の権威によって近隣(部族)が動かされて、
  • ut sunt Gallorum subita et repentina consilia,
    • ガリア人の考えというものは突発的で変わりやすいものであるが、
  • eadem de causa Trebium Terrasidiumque retinent
  • et celeriter missis legatis per suos principes inter se coniurant
    • 速やかに使節を遣わして、彼らの首長たちを通して互いに共謀した。
  • nihil nisi communi consilio acturos eundemque omnes fortunae exitum esse laturos,
    • 共同の計画を行なって皆が運命の同じ結果に耐えようと、
  • reliquasque civitates sollicitant,
    • 残りの諸部族を誘い込んで、
  • ut in ea libertate quam a maioribus acceperint, permanere
    • 祖先から引き継いだその自由の中で生きてゆくことを
  • quam Romanorum servitutem perferre malint.
    • ローマ人への隷属に辛抱することよりもむしろ欲すると。
  • Omni ora maritima celeriter ad suam sententiam perducta
    • すべての海岸(の諸部族)が速やかに彼ら(ウェネティ族)の見解に引き込まれて、
  • communem legationem ad P. Crassum mittunt,
    • 共同の使節をプブリウス・クラッススへ遣わし、
  • si velit suos recuperare, obsides sibi remittat.
    • もし彼ら(ローマ人)の者たちを取り戻すことを望むならば、自分たち(諸部族)の人質を返すように(通告した)。

9節[編集]

カエサル到着、ウェネティ族らの作戦と開戦準備

  • Quibus de rebus Caesar a Crasso certior factus,
    • 以上の事について、カエサルはクラッススによって報告されて、
  • quod ipse aberat longius,
    • (カエサル)自身は非常に遠くに離れていたので、
  • naves interim longas aedificari in flumine Ligeri, quod influit in Oceanum,
    • その間に長船(軍船)を大洋に流れ込むリゲル川(現在のロワール川)において建造し、
  • remiges ex provincia institui,
  • nautas gubernatoresque comparari iubet.
    • 船乗りと舵手を手配することを命じた。
  • His rebus celeriter administratis ipse,
    • これらの事を速やかに指令して、(カエサル)自身は
  • cum primum per anni tempus potuit, ad exercitum contendit.
    • 年の時季を考慮してできるだけ早く、軍隊のところへ急行した。
  • Veneti reliquaeque item civitates cognito Caesaris adventu
    • ウェネティ族と残りの部族もまた、カエサルの到着を知り、
  • {, et de recipiendis obsidibus spem se fefellise } [certiores facti],
    • かつ人質を取り戻すという希望に惑わされたことを知らされて、
  • simul quod quantum in se facinus admisissent intellegebant,
    • 同時に、どれほど大それた行為を自分たちが犯したかを考えたので、
  • [legatos, quod nomen apud{ad} omnes nationes sanctum inviolatumque semper fuisset,
    • <その名前がすべての部族のもとでいつまでも神聖で侵し難かったところの使節たちを
  • retentos ab se et in vincula coniectos,]
    • 自分たちで抑留して、鎖につないで>
  • pro magnitudine periculi bellum parare
    • 大層な危機に見合う戦争を準備して
  • et maxime ea quae ad usum navium pertinent providere instituunt,
    • とりわけ船を運用するために役立つところのものを調達し始めた。
  • hoc maiore spe quod multum natura loci confidebant.
    • 地勢を大いに信用していたことに大きな希望を持って。
  • Pedestria esse itinera concisa aestuariis,
    • (ローマ勢の)陸上の行軍は入江で遮断され、
  • navigationem impeditam propter inscientiam locorum paucitatemque portuum sciebant,
    • 航行は土地の不案内と港の少なさのために妨げられることを(ウェネティ族らは)知っていた。
  • neque nostros exercitus propter inopiam frumenti diutius apud se morari posse confidebant;
    • 我が軍(ローマ軍)は穀物の欠乏のためにより長く彼らのもとに留まることができないと(ウェネティ族らは)信じ切っていた。
  • ac iam ut omnia contra opinionem acciderent,
    • やがて、すべてのことが考えに反して起こるとしても、
  • tamen se plurimum navibus posse, [quam] Romanos neque ullam facultatem habere navium,
    • しかし彼ら(ウェネティ族ら)は艦船において、艦船の備えを何ら持たないローマ人よりも非常に優勢であり、
  • neque eorum locorum, ubi bellum gesturi essent, vada, portus, insulas novisse;
    • (ローマ人は)戦争を遂行しようとしているその場所の浅瀬・港・島に不案内である(と信じ切っていた)。
  • ac longe aliam esse navigationem in concluso mari atque in vastissimo atque apertissimo Oceano perspiciebant.
    • 閉ざされた海(地中海)と非常に広大で開けた大洋の航行はまったく別物であると見通していた。
  • His initis consiliis
    • この計略が始まると、
  • oppida muniunt, frumenta ex agris in oppida comportant,
    • 城市の防壁を固め、穀物を畑から城市に運び込み、
  • naves in Venetiam, ubi Caesarem primum bellum gesturum constabat, quam plurimas possunt, cogunt.
    • カエサルがまず戦争を遂行するであろうところのウェネティ族のところに、ありったけの艦船を集めた。
  • Socios sibi ad id bellum
    • この戦争のために(ウェネティ族は)自分たちのところへ同盟者として
  • Osismos, Lexovios, Namnetes, Ambiliatos, Morinos, Diablintes, Menapios adsciscunt;
  • auxilia ex Britannia, quae contra eas regiones posita est, arcessunt.
    • 援兵を、この地域の向かい側に位置するブリタンニアから呼び寄せた。

10節[編集]

カエサルの開戦理由

  • Erant hae difficultates belli gerendi, quas supra ostendimus,
    • 上で示したような戦争遂行の困難さがあった。
  • sed tamen multa Caesarem ad id bellum incitabant:
    • にもかかわらず、多くのことがカエサルをこの戦争へと駆り立てたのだ。
  • iniuria retentorum equitum Romanorum,
    • ①ローマ人の騎士(騎士階級の者)たちが抑留されることの無法さ、
  • rebellio facta post deditionem,
    • ②降伏の後でなされた再戦、
  • defectio datis obsidibus,
    • ③人質を与えての謀反、
  • tot civitatum coniuratio,
    • ④これほど多くの部族の共謀
  • in primis ne hac parte neglecta reliquae nationes sibi idem licere arbitrarentur.
    • ⑤何よりも第一に、この地方をなおざりにして、残りの部族が自分たちも同様に許されると思い込まないように。
  • Itaque cum intellegeret
    • そこで、(カエサルは以下のように)認識していたので、
  • omnes fere Gallos novis rebus studere et ad bellum mobiliter celeriterque excitari,
    • ①ほぼすべてのガリア人が政変を熱望して、戦争へ簡単に速やかに奮い立たせらること、
  • omnes autem homines natura libertatis studiose incitari et condicionem servitutis odisse,
    • ②他方ですべての人間は本来的に自由を熱望することに扇動され、隷属の状態を嫌っていること、
  • priusquam plures civitates conspirarent,
    • 多くの部族が共謀する前に、
  • partiendum sibi ac latius distribuendum exercitum putavit.
    • (カエサルは)自分によって軍隊を分割させ、より広く配分させるべきであると思った。

11節[編集]

カエサルの戦争準備

  • Itaque T. Labienum legatum in Treveros, qui proximi flumini Rheno sunt, cum equitatu mittit.
  • Huic mandat,
    • 彼に(以下のように)命じた。
  • Remos reliquosque Belgas adeat atque in officio contineat
  • Germanosque, qui auxilio a Belgis{Gallis} arcessiti dicebantur,
    • ②ベルガエ人{ガリア人}が呼び寄せたと言われていたゲルマニア人を
  • si per vim navibus flumen transire conentur, prohibeat.
    • (彼らが)もし力ずくで船で川を渡ることを試みるならば、防ぐように、と。
  • P. Crassum cum cohortibus legionariis XII{duodecim} et magno numero equitatus in Aquitaniam proficisci iubet,
  • ne ex his nationibus auxilia in Galliam mittantur ac tantae nationes coniungantur.
    • これらの諸部族から援兵がガリアに派遣され、これほど強力な諸部族が結託することがないように。
  • Q. Titurium Sabinum legatum cum legionibus tribus
  • in Unellos{Venellos}, Coriosolitas Lexoviosque mittit, qui eam manum distinendam curet.
  • D. Brutum adulescentem classi Gallicisque navibus,
  • quas ex Pictonibus et Santonis reliquisque pacatis regionibus convenire iusserat,
  • praeficit et, cum primum possit, in Venetos proficisci iubet.
    • 指揮させて、できるがきりウェネティ族(の領土)に出発することを命じた。
  • Ipse eo pedestribus copiis contendit.
    • (カエサル)自身は、そこへ歩兵の軍勢とともに急いだ。

12節[編集]

ウェネティ族の城市があったブルターニュ半島の突き出た地形

ウェネティ族の城市の環境

  • Erant eiusmodi fere situs oppidorum,
    • (ウェネティ族の)諸城市の状況はほぼ以下のようであった。
  • ut posita in extremis lingulis promunturiisque
    • や突き出たところのはずれに位置しており、
  • neque pedibus aditum haberent, cum ex alto se aestus incitavisset,
    • 沖からが満ちて来たときに(満潮)、徒歩で近づく手段を持っていなかった。
  • quod [bis] accidit semper horarum XII{duodenarum} spatio,
    • というのは(満潮が毎日)2度、いつも12時間間隔で起こるためである。
  • neque navibus, quod rursus minuente aestu naves in vadis adflictarentur.
    • 船でも駄目で、というのは潮が再び減って(干潮)、船が浅瀬で傷つけられるためである。
  • Ita utraque re oppidorum oppugnatio impediebatur.
    • こうして、(陸・海)どちらでも、城市を攻略する事は妨げられていた。
  • Ac si quando magnitudine operis forte superati,
    • たとえあるときに(ローマ軍の)工事の大きさにひどく圧倒されて
  • extruso mari aggere ac molibus atque his oppidi moenibus adaequatis,
    • 土塁石堤により海が押し戻されて、これら(防塁)を城市の城壁(の高さと)等しくし、
  • suis fortunis desperare coeperant,
    • (ウェネティ族らが)自分たちの命運に絶望し始めたとしても、
  • magno numero navium adpulso, cuius rei summam facultatem habebant,
    • 船団の大多数を持ち出して、それらの事(船)に最大の備えを持っていたので、
  • omnia sua deportabant seque in proxima oppida recipiebant;
    • 自分たちのすべてのものを持ち去って、最も近い城市に退却した。
  • ibi se rursus isdem opportunitatibus loci defendebant.
    • そこで彼らは再び同じような有利な場所から防戦していたのだ。
  • Haec eo facilius magnam partem aestatis faciebant,
    • このようなことが、夏の大部分(の期間)をより容易にしていた。
  • quod nostrae naves tempestatibus detinebantur
    • なぜなら、我が(ローマの)船団は嵐により(航行を)阻まれており、
  • summaque erat
    • 非常に大きかった。
  • vasto atque aperto mari, magnis aestibus, raris ac prope nullis portibus difficultas navigandi.
    • 海は広く開け、潮(干満の差)は大きく、港はまれでほとんどないので、航行の困難さが(非常に大きかった)。

13節[編集]

古代ローマの軍船(ガレー船)の構成

ウェネティ族の船の特徴

  • Namque ipsorum naves ad hunc modum factae armataeque erant:
    • これに対して彼ら(ウェネティ族)自身のは、以下のやり方で造られ、装備されていた。
  • carinae aliquanto planiores quam nostrarum navium,
    • 竜骨は、我が(ローマの)船のものよりもかなり平らで、
  • quo facilius vada ac decessum aestus excipere possent;
    • より容易に浅瀬や潮が退くこと(干潮)をくぐり抜けることができた。
  • prorae admodum erectae atque item puppes,
    • 船首は非常に真っ直ぐ高く立ち、船尾も同様で、
  • ad magnitudinem fluctuum tempestatumque adcommodatae;
    • 大がかりな波浪に適していた。
  • naves totae factae ex robore ad quamvis vim et contumeliam perferendam;
    • 船は、たとえどれほどの力や打撃にも耐えられるように、全体としてで造られていた。
  • transtra ex pedalibus in altitudinem trabibus, confixa clavis ferreis digiti pollicis crassitudine;
    • 甲板梁(横木)は、1ペースの幅の木材からなり、親指の太さほどの鉄の釘で緊結されていた。
  • ancorae pro funibus ferreis catenis revinctae;
    • は、ロープの代わりに鉄の鎖でつながれていた。
  • pelles pro velis alutaeque tenuiter confectae,
    • 帆布の代わりに(生の)皮革や軟らかく軟皮がなめされ、
  • [hae] sive propter inopiam lini atque eius usus inscientiam,
    • これはあるいは、の不足およびその使い方に無知であるためか、
  • sive eo, quod est magis veri simile,
    • あるいは、この方がより真実に近いのだろうが、
  • quod tantas tempestates Oceani tantosque impetus ventorum sustineri ac tanta onera navium regi
    • あのような大洋の嵐や風の衝撃に持ち応えて、あのような船の重さを制御するには、
  • velis non satis commode posse arbitrabantur.
    • (布の)によっては十分に具合良くできないと、考えられたのだろう。
  • Cum his navibus nostrae classi eiusmodi congressus erat,
    • 彼ら(ウェネティ族)の船団と、我が方(ローマ)の艦隊は以下のように遭遇していた。
  • ut una celeritate et pulsu remorum praestaret,
    • (船の)速さとを漕ぐのだけは(ローマ艦隊が)よりすぐれていた。
  • reliqua pro loci natura, pro vi tempestatum illis essent aptiora et adcommodatiora.
    • そのほかは、地勢や嵐の力を考慮すると、彼らにとって有利であり、適していた。
  • Neque enim his nostrae rostro nocere poterant
    • なぜなら、彼ら(の船)に対して我が方の(船首の)衝角は損害を与えることができず、
  • (tanta in iis erat firmitudo),
    • 《それほどこれら(ウェネティ族の船)においては頑丈であったのだが》
  • neque propter altitudinem facile telum adigebatur,
    • (ウェネティ族の船の)高さのために、飛び道具を投げ込むことができず、
  • et eadem de causa minus commode copulis continebantur.
    • 同じ理由で、都合よく鉤竿で(敵船を)繋ぎ止めることもできなかった。
  • Accedebat ut,
    • 以下のことも加わった。
  • cum [saevire ventus coepisset et] se vento dedissent,
    • 風が荒々しく吹き始め、風に身を委ねたときに、
  • et tempestatem ferrent facilius
    • (ウェネティ族の船は)嵐にいとも容易に耐えて、
  • et in vadis consisterent tutius et ab aestu relictae nihil saxa et cotes timerent;
    • 浅瀬に安全に留まり、潮から取り残されても、岩石や尖った石を何ら恐れることがなかった。
  • quarum rerum omnium nostris navibus casus erant extimescendi.
    • このようなすべての事が、我が(ローマ)船団では、恐怖すべき危険であったのだ。

14節[編集]

海戦が始まる

  • Compluribus expugnatis oppidis
    • いくつかの城市を攻略して
  • Caesar ubi intellexit frustra tantum laborem sumi
    • カエサルはこれほどの労苦が徒労になると知るや否や、
  • neque hostium fugam captis oppidis reprimi
    • (すなわち)城市を占領しても敵の逃亡を妨げられず、
  • neque iis noceri posse,
    • 彼らに損害を与えることもできない(と知るや否や)、
  • statuit exspectandam classem.
  • Quae ubi convenit ac primum ab hostibus visa est,
    • これら(艦隊)が集まって敵により目撃されるや否や、
  • circiter CCXX{ducentae viginti} naves eorum paratissimae
    • 約220の彼ら(ウェネティ族)の船団が準備を整え、
  • atque omni genere armorum ornatissimae
    • あらゆる種類の武器が装備され、
  • ex portu profectae nostris adversae constiterunt;
    • 港から出航して我が方と向かい合って布陣した。
  • neque satis Bruto, qui classi praeerat,
    • 艦隊を指揮していたブルトゥスにはまったく(知られてい)なかった。
  • vel tribunis militum centurionibusque, quibus singulae naves erant attributae,
  • constabat quid agerent aut quam rationem pugnae insisterent.
    • 何を行なうか、どんな戦法を採用するか、知られていなかった。
  • Rostro enim noceri non posse cognoverant;
    • なぜなら、衝角で(敵に)損害を与えることができないことを知っていたからだ。
  • turribus autem excitatis tamen has altitudo puppium ex barbaris navibus superabat,
    • しかし、を築いたけれども、その高さを蛮族の船の船尾が上回っていた。
  • ut neque ex inferiore loco satis commode tela adigi possent
    • その結果、より低い場所から十分に具合良く飛び道具を投げ込むことができず、
  • et missa a Gallis gravius acciderent.
    • ガリア人により放られたものがより激しく降ってきた。
鉤竿に似たローマの兵器「コルウス
  • Una erat magno usui res praeparata a nostris,
    • 我が方により準備されていた大いに役立つ事が一つあった。
  • falces praeacutae insertae adfixaeque longuriis, non absimili forma muralium falcium.
    • 先の尖ったが挿入されて長い竿に固定されたもの、破城槌に良く似た形のものである。
  • His cum funes qui antemnas ad malos destinabant, comprehensi adductique erant,
    • これを、帆桁を帆柱(マスト)に結びつけていた(帆綱)にひっかけて引っ張るたびに、
  • navigio remis incitato praerumpebantur.
    • によってすばやく航行すると、(帆綱は)引きちぎられた。
  • Quibus abscisis antemnae necessario concidebant,
    • これ(帆綱)が切れて、帆桁は必然的に倒れて、
  • ut, cum omnis Gallicis navibus spes in velis armamentisque consisteret,
    • その結果、ガリア人のすべての船にとって、期待は帆と索具に基づいていたので、
  • his ereptis omnis usus navium uno tempore eriperetur.
    • これをちぎり取られて、船の運用(能力)も奪い取られた。
  • Reliquum erat certamen positum in virtute, qua nostri milites facile superabant,
    • 残りの争闘は武勇いかんにかかっており、我が方(ローマ)の兵士がはるかに上回った。
  • atque eo magis quod in conspectu Caesaris atque omnis exercitus res gerebatur,
    • カエサルと全軍の眺望の中で、それだけ大きく、事(戦闘)が遂行されたので、
  • ut nullum paulo fortius factum latere posset;
    • どんな力強い動作も知られずにいることができないほどであった。
  • omnes enim colles ac loca superiora, unde erat propinquus despectus in mare, ab exercitu tenebantur.
    • なぜなら、そこから間近に海を見下ろすすべての丘とより高い場所は、(ローマの)軍隊によって占領されていたのである。

15節[編集]

海戦が終わる

  • Deiectis, ut diximus, antemnis,
    • 上述したように帆桁がぶっ倒れて、
  • cum singulas binae ac ternae naves circumsteterant,
    • (ウェネティ族の船)1艘ずつを(ローマの)2艘ずつや3艘ずつの船が攻囲して、
  • milites summa vi transcendere in hostium naves contendebant.
    • (ローマの)兵士たちは最高の力で敵の船に乗り移ることに努めた。
  • Quod postquam barbari fieri animadverterunt,
    • そのことが行なわれていると蛮族が気づいた後で、
  • expugnatis compluribus navibus,
    • いくつもの(ウェネティ族の)船が攻略されて、
  • cum ei rei nullum reperiretur auxilium,
    • この事態に対して何ら助けを見出せなかったので、
  • fuga salutem petere contenderunt.
    • 逃亡に身の安全を求めることに努めた。
  • Ac iam conversis in eam partem navibus quo ventus ferebat,
    • ちょうど風が運んでいた方角へ船の向きを変えたが、
  • tanta subito malacia ac tranquillitas exstitit,
    • 突然に大きくや静けさが生じて、
  • ut se ex loco movere non possent.
    • (ウェネティ族が)その場所から動くことができないほどであった。
  • Quae quidem res ad negotium conficiendum maximae fuit oportunitati:
    • このような事態はまさに仕事(軍務)を遂行するのに最大の機会であった。
  • nam singulas nostri consectati expugnaverunt,
    • というのも(敵船)1つずつを我が方が追跡して攻略して、
  • ut perpaucae ex omni numero noctis interventu ad terram pervenirent,
    • その結果、総勢のうちから非常にわずかな数の者たちが、夜のとばりに包まれて、陸地に達したのだ。
  • cum ab hora fere IIII{quarta}. usque ad solis occasum pugnaretur.
    • なぜなら(海戦が)ほぼ第四時から日が没するまで絶えず戦われたからだ。
      (訳注:第四時は、古代ローマの不定時法で、午前9時~10時頃と思われる。)

16節[編集]

ウェネティ族の行末

  • Quo proelio bellum Venetorum totiusque orae maritimae confectum est.
    • 以上の戦闘で、ウェネティ族およびすべての沿岸住民との戦争が完遂された。
  • Nam cum omnis iuventus, omnes etiam gravioris aetatis,
    • なぜなら、すべての青年とすべての年嵩の者さえも、
  • in quibus aliquid consilii aut dignitatis fuit eo convenerant,
    • 何らかの見識や品位のあった者たちは、そこ(戦場)へ集まっていたからだ。
  • tum navium quod ubique fuerat in unum locum coegerant;
    • そのとき、至る所にあった船が一つの場所に集められていたのだ。
  • quibus amissis reliqui neque quo se reciperent neque quemadmodum oppida defenderent habebant.
    • 以上のものを喪失して、残存者たちは、どこへ退くかも、どんな方法で城市を防衛するかもわからなかった。
  • Itaque se suaque omnia Caesari dediderunt.
    • こうして、彼らとそのすべてのものをカエサルに委ねた(降伏した)。
  • In quos eo gravius Caesar vindicandum statuit
    • これらのものを、カエサルはより厳重に処罰すると決定した。
  • quo diligentius in reliquum tempus a barbaris ius legatorum conservaretur.
    • 将来、蛮族により(ローマの)使節の権利をいっそう保たせるように。
  • Itaque omni senatu necato reliquos sub corona vendidit.
    • こうして、すべての長老を殺害して、残りの者たちを奴隷として売却した。
    • (訳注:sub corona vendere;葉冠のもとに売る=奴隷として売る)

大西洋岸ウネッリ族の反乱[編集]

17節[編集]

ウネッリ族・レクソウィイ族への遠征経路。

ウネッリ族の反乱とサビヌスの作戦

  • Dum haec in Venetis geruntur,
    • 以上のことがウェネティ族(の領国)で行なわれていた間に、
  • Q. Titurius Sabinus cum iis copiis, quas a Caesare acceperat
  • in fines Unellorum{Venellorum} pervenit.
  • His praeerat Viridovix ac summam imperii tenebat earum omnium civitatum, quae defecerant,
    • 彼ら(ウネッリ族)を指揮していたのはウィリドウィクスで、背反した全部族の最高指揮権を保持していた。
  • ex quibus exercitum [magnasque copias] coegerat;
    • (彼は)これら(の部族)から大軍勢を徴集した。
  • atque his paucis diebus Aulerci Eburovices Lexoviique,
  • senatu suo interfecto, quod auctores belli esse nolebant,
    • 自分たちの長老たちを、戦争の首謀者になることを欲しなかったという理由で殺害し、
  • portas clauserunt seseque cum Viridovice coniunxerunt;
    • (城市の)門を閉じて、彼らはウィリドウィクスと結託した。
  • magnaque praeterea multitudo undique ex Gallia perditorum hominum latronumque convenerat,
    • そのうえにガリアの至る所から大勢の無頼漢や略奪者が集まっていた。
  • quos spes praedandi studiumque bellandi ab agri cultura et cotidiano labore revocabat.
    • これらの者たちを、略奪への期待と戦争への熱望が、農耕や毎日の仕事から呼び戻したのだ。
  • Sabinus idoneo omnibus rebus loco castris se tenebat,
    • サビヌスはすべての事柄において適切な場所で、陣営を保持した。
  • cum Viridovix contra eum duorum milium spatio consedisset
    • ウィリドウィクスは彼に対抗して2ローママイル(約3km)の間隔で陣取って、
  • cotidieque productis copiis pugnandi potestatem faceret,
    • 毎日、軍勢を連れ出して戦闘の機会を作った。
  • ut iam non solum hostibus in contemptionem Sabinus veniret,
    • その結果ついに、敵からサビヌスが軽蔑されるに至ったのみならず、
  • sed etiam nostrorum militum vocibus nonnihil carperetur;
    • 我が方(ローマ)の兵士からも若干の者が声に出して嘲弄するに至った。
  • tantamque opinionem timoris praebuit,
    • これほどの恐れの評判を呈したので、
  • ut iam ad vallum castrorum hostes accedere auderent.
    • ついに陣営の堡塁のところにまで敵が敢えて近づいて来るほどであった。
  • Id ea de causa faciebat
    • (サビヌスは)以上のことを以下の理由でしたのである。
  • quod cum tanta multitudine hostium,
    • というのも、このような大がかりな敵とともに、
  • praesertim eo absente qui summam imperii teneret,
    • とりわけ、(ローマ側の)最高指揮権を保持する者(=カエサル)がおらずに、
  • nisi aequo loco aut opportunitate aliqua data
    • 有利な場所か何らかの機会が与えられなければ、
  • legato dimicandum non existimabat.
    • 総督副官(レガトゥス)にとって戦うべきとは考えなかったのである。

18節[編集]

サビヌスの計略

  • Hac confirmata opinione timoris
    • このような恐れの評判が強められて、
  • idoneum quendam hominem et callidum delegit Gallum,
    • (サビヌスは)適切で明敏なガリア人のある男を選び出した。
  • ex iis quos auxilii causa secum habebat.
  • Huic magnis praemiis pollicitationibusque persuadet uti ad hostes transeat,
    • この者を、多大なほうびを約束して、敵側に渡るように説得して、
  • et quid fieri velit edocet.
    • (サビヌスが)なされんと欲することを説き教えた。
  • Qui ubi pro perfuga ad eos venit, timorem Romanorum proponit,
    • その者は、逃亡兵として彼ら(ウネッリ族)のところへ来るや否や、ローマ人の恐れを申し述べた。
  • quibus angustiis ipse Caesar a Venetis prematur docet,
    • いかなる困窮で、カエサル自身がウェネティ族により苦戦させられているかを教えた。
  • neque longius abesse, quin proxima nocte
    • 遠からず、明晩には
  • Sabinus clam ex castris exercitum educat
    • サビヌスはひそかに陣営から軍隊を導き出して、
  • et ad Caesarem auxilii ferendi causa proficiscatur.
    • カエサルのところへ支援をもたらすために出発するであろう(とその男は教えた)。
  • Quod ubi auditum est, conclamant
    • このことが聞かれるや否や、(ウネッリ族の者たちは)叫び声を上げて、
  • omnes occasionem negotii bene gerendi amittendam non esse: ad castra iri oportere.
    • うまく仕事をするすべての機会を失うべきではない、(ローマの)陣営へ行かねばならぬ(と叫んだ)。
  • Multae res ad hoc consilium Gallos hortabantur:
    • 多くの事柄が、この計画へとガリア人を励ました。
    • (それらの事柄とは、以下のことである。)
  • superiorum dierum Sabini cunctatio,
    • 最近の日々のサビヌスのためらい、
  • perfugae confirmatio,
    • 脱走兵の確証、
  • inopia cibariorum, cui rei parum diligenter ab iis erat provisum,
    • 彼ら(ガリア人)によって充分に入念に調達されなかった糧食の欠乏、
  • spes Venetici belli,
    • ウェネティ族の戦争への希望、
  • et quod fere libenter homines id quod volunt credunt.
    • というのも、たいてい人間は(自分が)欲することを喜んで信ずるからである。
  • His rebus adducti non prius Viridovicem reliquosque duces ex concilio dimittunt,
    • これらの事態に引かれて、(ウネッリ族は)ウィリドウィクスや他の指導者を会議から解散させなかった。
  • quam ab his sit concessum arma uti capiant et ad castra contendant.
    • 彼らによって、武器を取って(ローマ)陣営へ急行するように容認されるまでは。
  • Qua re concessa laeti, ut explorata victoria,
    • この事が容認されて、勝利が得られたかのように喜んで、
  • sarmentis virgultisque collectis, quibus fossas Romanorum compleant, ad castra pergunt.
    • 柴や薮を集めて、これでもってローマ人の堀を埋めるべく、(ローマの)陣営のところへ出発した。

19節[編集]

ウネッリ族らとの決戦

  • Locus erat castrorum editus et paulatim ab imo acclivis circiter passus mille.
    • ローマ陣営の位置は高く、最も下(麓)から緩やかな上り坂で約1000パッスス(約1.5km)のところにあった。
  • Huc magno cursu contenderunt,

ここへ、大いに駆けて急いで、

  • ut quam minimum spatii ad se colligendos armandosque Romanis daretur,
    • ローマ人にとって集結して武装するための時間ができるだけ与えられないようにして、
  • exanimatique pervenerunt.
    • 息を切らして到着した。
  • Sabinus suos hortatus cupientibus signum dat.
    • サビヌスは、自分の部下たちを励まして、はやる者たちに合図を与える。
  • Impeditis hostibus propter ea quae ferebant onera,
    • 敵は、彼らが担いでいた重荷のために妨げられていて、
  • subito duabus portis eruptionem fieri iubet.
    • (サビヌスは)突然に(左右の)二つの門から出撃することを命じた。
  • Factum est
    • (ut以下のことが)なされた。
  • opportunitate loci, hostium inscientia ac defatigatione,
    • 場所の有利さ、敵の(武具や戦術の)不案内と疲労や、
  • virtute militum et superiorum pugnarum exercitatione,
    • 兵士の武勇とかつての戦闘の熟練によって
  • ut ne primum quidem nostrorum impetum ferrent ac statim terga verterent.
    • 我が方(ローマ)の最初の襲撃さえ持ちこたえることなく、(敵は)すぐに背を向けた。
  • Quos impeditos integris viribus milites nostri consecuti
    • これらの妨げられている者たちを、健全な力で我が方の兵士たちが追跡して、
  • magnum numerum eorum occiderunt;
    • 彼らの大多数を殺戮した。
  • reliquos equites consectati paucos, qui ex fuga evaserant, reliquerunt.
    • 残りの者たちは、(ローマの)騎兵が追跡したが、逃亡によって逃れたので、見逃した。
  • Sic uno tempore et de navali pugna Sabinus et de Sabini victoria Caesar est certior factus,
    • このようにして一度に、海戦についてサビヌスが、サビヌスの勝利についてカエサルが、報告を受けて、
  • civitatesque omnes se statim Titurio dediderunt.
    • (敵の)全部族がすぐにティトゥリウス(・サビヌス)に降伏した。
  • Nam ut ad bella suscipienda Gallorum alacer ac promptus est animus,
    • こうなったのは、ガリア人は戦争を実行することについては性急で、心は敏捷であるが、
  • sic mollis ac minime resistens ad calamitates ferendas mens eorum est.
    • と同様に柔弱で、災難に耐えるには彼らの心はあまり抵抗しないためである。

クラッススのアクィタニア遠征[編集]

20節[編集]

クラッススのアウィタニア遠征の経路。

クラッススのアクィタニア遠征、ソティアテス族

  • Eodem fere tempore P. Crassus, cum in Aquitaniam pervenisset,
  • quae pars, ut ante dictum est, et regionum latitudine et multitudine hominum
    • この方面は、前述のように、領域の広さと人間の多さで
  • ex tertia parte Galliae est aestimanda,
    • ガリアの第三の部分であると考えられるべきであるが、
  • cum intellegeret in illis locis sibi bellum gerendum,
    • (クラッススは)かの場所で自らにとって戦争がなされるべきであると考えたので、
  • ubi paucis ante annis L. Valerius Praeconinus legatus exercitu pulso interfectus esset
  • atque unde L. Manlius proconsul impedimentis amissis profugisset,
  • non mediocrem sibi diligentiam adhibendam intellegebat.
    • 己にとって尋常ならざる注意深さが適用されるべきだと考えたのだ。
  • Itaque re frumentaria provisa, auxiliis equitatuque comparato,
  • multis praeterea viris fortibus Tolosa et Carcasone et Narbone,
  • - quae sunt civitates Galliae provinciae finitimae, ex his regionibus-
  • nominatim evocatis, in Sotiatium fines exercitum introduxit.
    • 名指しで徴集されて、(クラッススは)ソティアテス族の領土に軍隊を導き入れた。
  • Cuius adventu cognito Sotiates magnis copiis coactis,
    • 彼(クラッスス)の到着を知ると、ソティアテス族は大軍勢を集めて、
  • equitatuque, quo plurimum valebant, in itinere agmen nostrum adorti
    • それにより彼らが大いに力があったところの騎兵隊で、行軍中の我が(ローマの)隊列を襲って、
  • primum equestre proelium commiserunt,
    • はじめに騎兵戦を戦った。
  • deinde equitatu suo pulso atque insequentibus nostris
    • それから、その(敵の)騎兵隊が撃退され、我が方が追跡したが、
  • subito pedestres copias, quas in convalle in insidiis conlocaverant, ostenderunt.
    • 突然に歩兵の軍勢 <峡谷の中で伏兵として配置していた者たち> が現われた。
  • Iis nostros disiectos adorti proelium renovarunt.
    • これらによって追い散らされた我が方(ローマ軍)に襲いかかり、戦いを再び始めた。

21節[編集]

ソティアテス族の敗勢

  • Pugnatum est diu atque acriter,
    • 長く激しく戦われた。
  • cum Sotiates superioribus victoriis freti
    • というのもソティアテス族は、かつての(ローマ軍に対する)勝利を信頼しており、
  • in sua virtute totius Aquitaniae salutem positam putarent,
    • 自分たちの武勇の中に全アクィタニアの安全が立脚していると、みなしていたからだ。
  • nostri autem,
    • 我が方(ローマ軍)はそれに対して
  • quid sine imperatore et sine reliquis legionibus adulescentulo duce efficere possent,
    • 最高司令官(インペラトル)なし、他の軍団もなしに、この若造(クラッスス)が指揮官として何をなしうるかが
  • perspici cuperent;
    • 注視(吟味)されることを欲していたのだ。
  • tandem confecti vulneribus hostes terga verterunt.
    • ついに傷を負って、敵は背を向けた。
  • Quorum magno numero interfecto
    • これらの者の大多数を殺戮し、
  • Crassus ex itinere oppidum Sotiatium oppugnare coepit.
    • クラッススは行軍からただちにソティアテス族の城市を攻撃し始めた。
  • Quibus fortiter resistentibus vineas turresque egit.
    • これらの者たちが勇敢に抵抗したので、(ローマ勢は)工作小屋(ウィネア)やを(城の方に)導いた。
  • Illi alias eruptione temptata, alias cuniculis ad aggerem vineasque actis
    • 彼ら(アクィタニア人)は、あるときは突撃を試みて、あるときは坑道土塁や工作小屋のところへ導いた。
  • - cuius rei sunt longe peritissimi Aquitani,
    • <こういった事柄(坑道の技術)に、アクィタニア人は長らく非常に熟練している。
  • propterea quod multis locis apud eos aerariae secturaeque sunt -,
    • これは、彼らのもとの多くの場所に銅山採石所があることのためである。>
  • ubi diligentia nostrorum nihil his rebus profici posse intellexerunt,
    • 我が方の注意深さによってこのような事柄によっても何ら得られぬと考えるや否や、
  • legatos ad Crassum mittunt, seque in deditionem ut recipiat petunt.
    • (ソティアテス族は)使節をクラッススのところへ送って、自分たちを降伏へと受け入れるように求める。
  • Qua re impetrata arma tradere iussi faciunt.
    • この事が達せられ、武器の引渡しが命じられ、実行された。

22節[編集]

アディアトゥアヌスと従僕たちの突撃

  • Atque in ea re omnium nostrorum intentis animis
    • この事柄に我が方(ローマ勢)の皆が心から没頭しており、
  • alia ex parte oppidi Adiatuanus, qui summam imperii tenebat,
  • cum DC{sescentis} devotis, quos illi{Galli} soldurios appellant,
    • ガリア人がソルドゥリイ(従僕)と呼んでいる600名の忠実な者とともに(突撃を試みた)。

アディアトゥアヌスの従僕たち

  • - quorum haec est condicio,
    • < これらの者たちの状況は以下の通りであった。
  • uti omnibus in vita commodis una cum iis fruantur quorum se amicitiae dediderint,
    • 人生におけるあらゆる恩恵を、忠心に身を捧げる者たちと一緒に享受する。
  • si quid his per vim accidat, aut eundem casum una ferant aut sibi mortem consciscant;
    • もし彼らに何か暴力沙汰が起こったら、同じ運命に一緒に耐えるか、自らに死を引き受ける(自殺する)。
  • neque adhuc hominum memoria repertus est quisquam qui,
    • これまで、次のような人の記憶は見出されていない。
  • eo interfecto, cuius se amicitiae devovisset, mortem recusaret -
    • 忠心に身を捧げる者が殺されても死を拒む(ような者) >
  • cum his Adiatuanus eruptionem facere conatus
    • これらの者(従僕)とともにアディアトゥアヌスは突撃することを試みた。

アディアトゥアヌスの敗退

  • clamore ab ea parte munitionis sublato
    • 堡塁のその方面から叫び声が上げられて、
  • cum ad arma milites concurrissent vehementerque ibi pugnatum esset,
    • 武器のところへ(ローマの)兵士たちが急ぎ集まった後に、そこで激しく戦われた。
  • repulsus in oppidum
    • (アディアトゥアヌスたちは)城市の中に撃退され、
  • tamen uti eadem deditionis condicione uteretur a Crasso impetravit.
    • しかし(前と)同じ降伏条件を用いるように、クラッススを説得した。

23節[編集]

ウォカテス族・タルサテス族対クラッスス

  • Armis obsidibusque acceptis, Crassus in fines Vocatium et Tarusatium profectus est.
  • Tum vero barbari commoti,
    • そのとき確かに蛮族たちは動揺させられて、
  • quod oppidum et natura loci et manu munitum
    • というのも、地勢と部隊で防備された(ソティアテス族の)城市が
  • paucis diebus quibus eo ventum erat, expugnatum cognoverant,
    • (ローマ人が)そこへ来てからわずかな日数で攻め落とされたことを知っていたためであるが、
  • legatos quoque versus dimittere,
    • 使節たちをあらゆる方面に向けて送り出し、
  • coniurare, obsides inter se dare, copias parare coeperunt.
    • 共謀して、互いに人質を与え合って、軍勢を準備し始めた。
  • Mittuntur etiam ad eas civitates legati quae sunt citerioris Hispaniae finitimae Aquitaniae:
BC197年頃のヒスパニア。オレンジ色の地域が当時の上ヒスパニア
BC200年頃のイベリア半島の民族分布。朱色の部分にアクィタニア人の諸部族が居住していた。
  • inde auxilia ducesque arcessuntur.
    • そこから援兵と指揮官が呼び寄せられた。
  • Quorum adventu
    • これらの者が到着して、
  • magna cum auctoritate et magna [cum] hominum multitudine
    • 大きな権威と大勢の人間とともに、
  • bellum gerere conantur.
    • 戦争遂行を企てた。
  • Duces vero ii deliguntur
    • 指揮官には確かに(以下の者たちが)選ばれた。
  • qui una cum Q. Sertorio omnes annos fuerant
  • summamque scientiam rei militaris habere existimabantur.
    • 軍事の最高の知識を有すると考えられていた(者たちである)。
    • (訳注:セルトリウスは、スッラの独裁に抵抗したローマ人の武将である。ヒスパニアの住民にローマ軍の戦術を教えて共和政ローマに対して反乱を起こしたが、ポンペイウスによって鎮圧された。)
  • Hi consuetudine populi Romani loca capere,
    • これらの者たちは、ローマ人民の習慣によって、場所を占領し、
  • castra munire,
  • commeatibus nostros intercludere instituunt.
    • 我が方(ローマ勢)の物資をさえぎることに決めたのだ。
  • Quod ubi Crassus animadvertit,
    • クラッススは(以下の諸事情に)気づくや否や、(すなわち)
  • suas copias propter exiguitatem non facile diduci,
    • 己の軍勢が寡兵であるために、展開するのが容易でないこと、
  • hostem et vagari et vias obsidere et castris satis praesidii relinquere,
    • 敵はうろつき回って道を遮断して、陣営に十分な守備兵を残していること、
  • ob eam causam minus commode frumentum commeatumque sibi supportari,
    • その理由のために糧食や軍需品を都合良く自陣に持ち運べていないこと、
  • in dies hostium numerum augeri,
    • 日々に敵の数が増していること、(これらの諸事情に気づいたので)
  • non cunctandum existimavit quin pugna decertaret.
    • (クラッススは)戦闘で雌雄を決することをためらうべきではないと考えたのだ。
  • Hac re ad consilium delata, ubi omnes idem sentire intellexit,
    • この事が会議に報告されて、皆が同じく考えていることを知るや否や、
  • posterum diem pugnae constituit.
    • 戦闘を翌日に決めた。

24節[編集]

両軍の開戦準備

  • Prima luce productis omnibus copiis,
    • (クラッススは)夜明けに全軍勢を連れ出して、
  • duplici acie instituta,
    • 二重の戦列を整列し、
  • auxiliis in mediam aciem coniectis,
  • quid hostes consilii caperent exspectabat.
    • 敵がいかなる計略をとるのかを待った。
  • Illi,
    • 彼ら(アクィタニア人)は、
  • etsi propter multitudinem et veterem belli gloriam paucitatemque nostrorum se tuto dimicaturos existimabant,
    • (自らの)多勢、昔の戦争の名誉、我が方(ローマ勢)の寡勢のために、安全に闘えると考えたにも拘らず、
  • tamen tutius esse arbitrabantur obsessis viis commeatu intercluso sine ullo vulnere victoria potiri,
    • それでもより安全と思われるのは、道を包囲して兵站を遮断し、何ら傷なしに勝利をものにすることであり、
  • et si propter inopiam rei frumentariae Romani se recipere coepissent,
    • もし糧食の欠乏のためにローマ人が退却し始めたならば、
  • impeditos in agmine et sub sarcinis infirmiores
    • (ローマ人が)隊列において背嚢を背負って妨げられて臆病になっているところを、
  • aequo animo adoriri cogitabant.
    • 平常心をもって襲いかかれると考えたのだ。
  • Hoc consilio probato ab ducibus, productis Romanorum copiis, sese castris tenebant.
    • この計略が指揮官により承認されて、ローマ人の軍勢が進撃しても、彼らは陣営に留まった。
  • Hac re perspecta Crassus,
    • この事を見通してクラッススは、
  • cum sua cunctatione atque opinione timidiores hostes
    • (敵)自身のためらいや、評判より臆病な敵が
  • nostros milites alacriores ad pugnandum effecissent
    • 我が方(ローマ)の兵士たちを戦うことにおいてやる気にさせたので、
  • atque omnium voces audirentur exspectari diutius non oportere quin ad castra iretur,
    • かつ(敵の)陣営へ向かうことをこれ以上待つべきではないという皆の声が聞かれたので、
  • cohortatus suos omnibus cupientibus ad hostium castra contendit.
    • 部下を励まして、(戦いを)欲する皆で、敵の陣営へ急行した。

25節[編集]

クラッスス、敵陣へ攻めかかる

  • Ibi cum alii fossas complerent, alii multis telis coniectis
    • そこで、ある者は堀を埋め、ある者は多くの飛道具を投げて、
  • defensores vallo munitionibusque depellerent,
  • auxiliaresque, quibus ad pugnam non multum Crassus confidebat,
    • 支援軍の者たちといえば、クラッススは彼らの戦いを大して信頼していなかったが、
  • lapidibus telisque subministrandis et ad aggerem caespitibus comportandis
    • 石や飛道具を供給したり、土塁のために芝草を運んだり、
  • speciem atque opinionem pugnantium praeberent,
    • 戦っている様子や印象を示した。
  • cum item ab hostibus constanter ac non timide pugnaretur
    • 敵もまたしっかりと臆せずに戦って、
  • telaque ex loco superiore missa non frustra acciderent,
    • より高い所から放られた飛道具は無駄なく落ちてきたので、
  • equites circumitis hostium castris Crasso renuntiaverunt
    • 騎兵は、敵の陣営を巡察してクラッススに報告した。
  • non eadem esse diligentia ab decumana porta castra munita
    • (敵の)陣営の後門(porta decumana)は(他の部分と)同じほどの入念さで防備されておらず、
  • facilemque aditum habere.
    • 容易に接近できると。

26節[編集]

クラッスス、総攻撃をかける

  • Crassus equitum praefectos cohortatus,
    • クラッススは騎兵の指揮官たちに促した。
  • ut magnis praemiis pollicitationibusque suos excitarent, quid fieri velit ostendit.
    • 大きな恩賞の約束で部下たちを駆り立てて、何がなされることを欲しているかを示すようにと。
  • Illi, ut erat imperatum,
    • この者らは命じられたように、
  • eductis iis cohortibus quae praesidio castris relictae intritae ab labore erant,
    • 守備兵として陣営に残されていて、働きによって疲弊していなかった歩兵大隊(コホルス)を連れ出して、
  • et longiore itinere circumductis, ne ex hostium castris conspici possent,
    • 敵の陣営から視認できないように、遠回りの道程をめぐらせて、
  • omnium oculis mentibusque ad pugnam intentis
    • (彼我の)皆の目と意識が戦闘に没頭している間に
  • celeriter ad eas quas diximus munitiones pervenerunt atque his prorutis
    • 速やかに前述した(後門の)防壁に至って、それを崩壊させて、
  • prius in hostium castris constiterunt,
    • 敵の陣営に拠点を築いた。
  • quam plane ab his videri aut quid rei gereretur cognosci posset.
    • 彼ら(敵)によりまったく見られ、あるいはいかなる事が遂行されているかを知られるよりも早くのことだった。
  • Tum vero clamore ab ea parte audito
    • そのときまさにこの方面から雄叫びが聞こえて、
  • nostri redintegratis viribus,
    • 我が方(ローマ勢)は活力を回復し、
  • quod plerumque in spe victoriae accidere consuevit,
    • 勝利の希望の中にたいてい起こるのが常であったように
  • acrius impugnare coeperunt.
    • より激烈に攻め立て始めたのであった。
  • Hostes undique circumventi desperatis omnibus rebus
    • 敵は至る所から攻囲されて、すべての事態に絶望し、
  • se per munitiones deicere et fuga salutem petere intenderunt.
    • 壁を越えて飛び降りて、逃亡によって身の安全を求めることに懸命になった。
  • Quos equitatus apertissimis campis consectatus
    • この者たちを(ローマの)騎兵隊が非常に開けた平原で追撃し、
  • ex milium L{quinquaginta} numero, quae ex Aquitania Cantabrisque convenisse constabat,
  • vix quarta parte relicta,
    • やっとその四分の一が生き残り、
  • multa nocte se in castra recepit.
    • 夜も更けて(ローマ勢は)陣営に退却した。

27節[編集]

アクィタニア諸部族の降伏

モリニ族・メナピイ族への遠征[編集]

28節[編集]

カエサル、モリニ族・メナピイ族へ遠征

  • Eodem fere tempore Caesar,
    • (前節までに述べたクラッススのアクィタニア遠征と)ほぼ同じ時期にカエサルは、
  • etsi prope exacta iam aestas erat,
    • すでに夏はほとんど過ぎ去っていたのであるが、
  • tamen quod omni Gallia pacata
    • 全ガリアが平定されていたにもかかわらず、
  • Morini Menapiique supererant,
  • qui in armis essent, neque ad eum umquam legatos de pace misissent,
    • 武装した状態で、彼(カエサル)のところへ決して和平の使節を派遣しようとしなかったので、
  • arbitratus id bellum celeriter confici posse, eo exercitum duxit;
    • この戦争は速やかに完遂されると思って、そこへ軍隊を率いて行った。
  • qui longe alia ratione ac reliqui Galli bellum gerere instituerunt.
    • これら(の部族)は、他のガリア人とはまったく別の方法で戦争遂行することを決めた。
  • Nam
    • なぜなら
  • quod intellegebant maximas nationes, quae proelio contendissent, pulsas superatasque esse,
    • というのも、戦闘を戦った非常に多くの部族が撃退され、征服されていることを(彼らは)知っており、
  • continentesque silvas ac paludes habebant,
    • かつ、絶え間ない沼地を(彼らは)持っていたので
  • eo se suaque omnia contulerunt.
    • そこへ自分たちとそのすべての物を運び集めたのだ。
  • Ad quarum initium silvarum cum Caesar pervenisset castraque munire instituisset
    • かかる森の入口のところへカエサルが到着して陣営の防備にとりかかったときに、
  • neque hostis interim visus esset,
    • 敵はその間に現れることはなく、
  • dispersis in opere nostris
    • 工事において分散されている我が方(ローマ勢)を
  • subito ex omnibus partibus silvae evolaverunt et in nostros impetum fecerunt.
    • 突然に(敵が)森のあらゆる方面から飛び出してきて、我が方に襲撃をしかけたのだ。
  • Nostri celeriter arma ceperunt
    • 我が方は速やかに武器を取って
  • eosque in silvas reppulerunt et compluribus interfectis
    • 彼らを森の中に押し戻して、かなり(の敵)を殺傷して
  • longius impeditioribus locis secuti
    • 非常に通りにくい場所を追跡したが、
  • paucos ex suis deperdiderunt.
    • 我が方の部下で損傷を負ったのは少数であった。

29節[編集]

カエサル、むなしく撤兵する

  • Reliquis deinceps diebus Caesar silvas caedere instituit,
    • 続いて(冬が近づくまでの)残りの何日かで、カエサルは森を伐採することに決めた。
  • et ne quis inermibus imprudentibusque militibus ab latere impetus fieri posset,
    • (これは)非武装で不注意な兵士たちが側面からいかなる襲撃もなされないように(ということであり)、
  • omnem eam materiam quae erat caesa conversam ad hostem conlocabat
    • 伐採されたすべての材木を敵の方へ向きを変えて配置して、
  • et pro vallo ad utrumque latus exstruebat.
    • 防柵の代わりに両方の側面に築いた。
  • Incredibili celeritate magno spatio paucis diebus confecto,
    • 信じがたいほどの迅速さで大きな空間がわずかな日数で完遂されて、
  • cum iam pecus atque extrema impedimenta a nostris tenerentur,
    • すでに家畜輜重の最も端が我が方(ローマ軍)により捕捉された。
  • ipsi densiores silvas peterent,
    • (敵)自身は密生した森を行くし、
  • eiusmodi sunt tempestates consecutae, uti opus necessario intermitteretur
    • が続いたので、工事はやむを得ずに中断された。
  • et continuatione imbrium diutius sub pellibus milites contineri non possent.
    • 雨が続いて、これ以上は皮(天幕)の下に兵士たちを留めることはできなかった。
  • Itaque vastatis omnibus eorum agris, vicis aedificiisque incensis,
    • こうして、彼らのすべての畑を荒らして、村々や建物に火をつけて、
  • Caesar exercitum reduxit
    • カエサルは軍隊を連れ戻して、
  • et in Aulercis Lexoviisque, reliquis item civitatibus quae proxime bellum fecerant,
  • in hibernis conlocavit.

脚注[編集]

  1. ^ プルータルコス『対比列伝』の「カエサル」20,21
  2. ^ s:la:De_vita_Caesarum_libri_VIII/Vita_Galbae#III.
  3. ^ s:la:De_vita_Caesarum_libri_VIII/Vita_divi_Iuli#XIV.#XVII. を参照。