民法第667条
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条文
[編集](組合契約)
- 第667条
- 組合契約は、各当事者が出資をして共同の事業を営むことを約することによって、その効力を生ずる。
- 出資は、労務をその目的とすることができる。
解説
[編集]参照条文
[編集]- 第12節 組合
- 本条(組合契約)
- 第667条の2(他の組合員の債務不履行)
- 第667条の3(組合員の一人についての意思表示の無効等)
- 第668条(組合財産の共有)
- 第669条(金銭出資の不履行の責任)
- 第670条(業務の決定及び執行の方法)
- 第670条の2(組合の代理)
- 第671条(委任の規定の準用)
- 第672条(業務執行組合員の辞任及び解任)
- 第673条(組合員の組合の業務及び財産状況に関する検査)
- 第674条(組合員の損益分配の割合)
- 第675条(組合の債権者の権利の行使)
- 第676条(組合員の持分の処分及び組合財産の分割)
- 第677条(組合財産に対する組合員の債権者の権利の行使の禁止)
- 第677条の2(組合員の加入)
- 第678条(組合員の脱退)
- 第679条(同上)
- 第680条(組合員の除名)
- 第680条の2(脱退した組合員の責任等)
- 第681条(脱退した組合員の持分の払戻し)
- 第682条(組合の解散事由)
- 第683条(組合の解散の請求)
- 第684条(組合契約の解除の効力)
- 第685条(組合の清算及び清算人の選任)
- 第686条(清算人の業務の決定及び執行の方法)
- 第687条(組合員である清算人の辞任及び解任)
- 第688条(清算人の職務及び権限並びに残余財産の分割方法)
判例
[編集]- 横領(最高裁判決 昭和32年12月19日)刑法第252条,民法第668条,商法第535条,商法第536条
- 設立中の株式会社の財産について横領罪の成立する一事例
- 株式会社設立のため出資された資金によつて建設された建物が、会社設立前でも出資者の組合財産であると認められる場合は、その組合の事業を委されている者がこれを自己名義に保存登記をした上、自己の債務の弁済に供するため他に譲渡した場合は横領罪を構成する。
- 持分確認請求(最高裁判決 昭和32年10月31日)民法第668条
- 民法上の組合に類似するものとしてその財産に対し持分を肯定したことが違法とされた事例
- 鰮網漁業を営むD網が「当初網を設立する際特定の社内が金銭、或は漁業に必要な設備、資材を出資したか否かに関係なく、設立後においては漁業経営に必要な施設及び資材は社内全員の権利(持分は平等)に属するものとされており、また、特定の者が社内となる場合には、他の社内全員の承認あれば足り、金銭その他の財産を出資することを要せず、また社内を辞任し脱退する場合にも他の社内全員の承認を得れば足り脱退と同時に漁業経営に必要なる施設、資材に対する権利を当然喪失しその際持分を金銭に評価してこれを払戻す等のことをしていない」ものとすれば、右D網は、著しく組合の性質に反し、これを組合に類似するものとして社内が、その施設、資材に対し持分を有することを肯定したのは違法である。
- 売掛代金請求(最高裁判決 昭和35年12月09日)民法第670条
- 民法上の組合における多数代理の許否。
- 民法上の組合において組合契約その他により業務執行組合員が定められていない場合、組合員の過半数のものは、共同して右組合を代理する権限を有するものと解すべきである。
- 売掛代金等請求(最高裁判決 昭和37年12月18日)旧・民事訴訟法第46条(現・民事訴訟法第29条)
- 民法上の組合の訴訟当事者能力。
- 代表者の定めがある民法上の組合は、訴訟当事者能力を有する。
- 鮮魚代金請求(最高裁判決 昭和41年11月25日)民法第668条
- 組合契約の無効と組合員のした組合名義による物件売渡契約の効力
- 組合員が組合名義で第三者に対し物件の売渡契約を締結した場合には、当該組合契約が無効であつても、右組合員は右第三者に対し代金債権を有する。
- 頼母子講返掛金請求(最高裁判決 昭和42年04月18日)民法第136条
- 民法上の組合的性質を有する頼母子講の性質とその解散
- 民法上の組合的性質を有する頼母子講は、講の会合がすすむにつれて、講金の既落札者間における消費貸借の性質が増加し、組合性が後退するため、未落札者全員のみで解散を決定することができる。
- 未落札者全員のみでした前項の頼母子講の解散と既落札者の返掛金債務の分割弁済の利益
- 前項の場合の清算手続においては、既落札者は、返掛金について分割弁済の利益を失わない。
- 民法上の組合的性質を有する頼母子講の性質とその解散
- 所得税更正処分取消請求事件(最高裁判決 平成13年07月13日)所得税法第27条1項,所得税法第28条1項,民法第674条
- 民法上の組合の組合員が組合の事業に係る作業に従事して支払を受けた収入に係る所得が給与所得に該当するとされた事例
- りんご生産等の事業を営むことを目的とする民法上の組合の組合員がりんご生産作業の専従者として同作業に従事して労務費名目で金員の支払を受けた場合において,上記金員は作業時間を基礎として日給制でその金額が決定され原則として毎月所定の給料日に現金を手渡す方法で支払われ,専従者は同作業の管理者の指示に従って作業に従事し,その作業時間がタイムカードによって記録されており,その作業内容を含めこれらの点において専従者と一般作業員との間に基本的に異なるところがなく,他方,組合員に対する出資口数に応じた現金配当は1度行われたことがあるにすぎないなど判示の事実関係の下においては,専従者が一般作業員とは異なり組合員の中から組合の総会において選任されりんご生産作業においては管理者と一般作業員との間にあって管理者を補助する立場にあったことなどを考慮しても,上記金員に係る収入をもって労務出資をした組合員に対する組合の利益の分配であるとみるのは困難であり,当該収入に係る所得は給与所得に該当する。
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